日本におけるリハビリテーション医療は標準化されていない
つまり、病院ごとにリハビリの内容やそもそもリハビリの目標が異なる。
特に、脳卒中患者は、この現状を絶対に知っておかなければならないと思う。
麻痺の回復を目指さずに、麻痺のない側を鍛えることをリハビリ目標とするリハビリテーションが日本のリハビリテーション医療では多くの病院の目標となっている。
なぜか?
それは確実に一定の成果が出るからだと思う。
筋トレをすれば筋肉がつく‥と同じだ。
片麻痺でも健側に力があれば、一通りのことが自分でできる可能性がある。
それは車椅子や杖を身体の一部にするということであり、動作の質は当然低くなる。
それでも医者は「できるようになりましたね。よかったですね。ゴールです」という。
以下は、著名なリハビリの医師の論文である。
日本医療マネジメント学会雑誌 Vol.18,No3,2017
私個人の解釈では、たくさんいる脳卒中患者のために効率的な医療を提供したい。
最短で、最低限の成果を得て、ある程度麻痺は受け入れてくださいと言っている。
全てを否定したいわけではないし、リハビリ医療として賛同できる部分もある。
しかし、
患者の立場からは 麻痺の回復をあきらめることを強要される。
患者の限界をやる前から病院に決められる。
こんなリハビリテーション医療では希望をもって厳しいリハビリに取り組むことはできないと私は思う。
患者が真に望むものは、麻痺の回復である。
ニューロリハビリテーションが育っており、希望を持てるようなデータが日々積み重なっている。その可能性を探りもしないリハビリ医療は残念でならない。
※論文の著者は本も出版されている有名なリハビリ医師である。著書も拝読したが優れた医師であると思う。個人批判をしたいわけではなく、リハビリ医療に対する一人の患者の願いと理解していただきたい。