脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

脳にはベリー類などの食品が良い?

はじめに

 ベリー類やお茶をたくさん摂取すれば、加齢に伴う認知機能の低下を遅らせることができるかもしれないとしたら?

 抗酸化物質のフラボノール類を含む食品や飲料は、高齢者の脳に有益な影響をもたらすことがある論文で示されました。フラボノール類は、ベリー類などの果物や緑色の葉物野菜、茶、ワインなどに含まれています。

 

方法

 Holland氏らは、認知症がない60〜100歳の961人(平均年齢81歳)を対象に研究を行った。平均6.9年にわたる追跡期間中に、これらの参加者は年に1回の頻度で食事に関する質問票に回答し、1日当たりのフラボノール類の摂取量に応じて5群に分けられた。

 

参加者のフラボノール類の1日当たりの平均摂取量は、最も多い群で15mg(葉物野菜で約1カップ分に相当)、最も少ない群で5mgだった。認知機能については、参加者に対して1年に1回の頻度で実施された19種類の認知機能検査にて評価された。

 

結果

 年齢や性別、喫煙の有無を考慮しても、1日当たりのフラボノール類の摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べて記憶力の低下速度が遅いことが示された。また、フラボノール類の種類(ケンぺロール、ケルセチン、ミリセチン、イソラムネチン)で分類して、それらの含有量の多い食品を調べたところ、ケンぺロールはケール、豆類、茶、ホウレンソウ、ブロッコリーに、ケルセチンはトマト、ケール、リンゴ、茶、ミリセチンは茶、ワイン、ケール、オレンジ、トマトに、イソラムネチンはナシ、オリーブ油、ワイン、トマトソースに多く含まれていることが判明した。

 

考察

 フラボノール類は抗炎症物質であるとともに抗酸化物質でもあるため、フリーラジカルを破壊し、脳、心血管系や腎臓、肝臓などの臓器の細胞を酸化のダメージから守ってくれる作用がある。また、フラボノール類はサプリメントからではなく食品から摂取するのが最も良い。

 

結論

フラボノール類を接種することで加齢に伴う認知機能の低下を遅らせることができるかもしれない

 

私の意見

 今回の研究は、フラボノール類の摂取量の多さと認知機能の低下速度の遅さとの間に相関関係が認められた。しかし、これらは因果関係にあることを証明したわけではない。そのあたりの解釈は慎重に行われるべきだと思う。

 食品にはフラボノール類以外にも、食物繊維やビタミン、ミネラルなどさまざまなファイトケミカル(植物栄養素)が含まれている。これらの栄養素の相乗的な効果が、健康にベネフィットをもたらすと考えられている。

 

引用:Holland TM, et al. Neurology. 2022 Nov 22. [Epub ahead of print]