脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

興味ひかれたリハビリテーション論文

認知機能向上に効果的な有酸素運動:ゴルフ、ノルディックウォーキング、ウォーキングの比較

はじめに 有酸素運動により、運動の強度や実施時間、種類に関係なく認知機能が向上する可能性が過去の研究で示唆されています。年齢を重ねるごとに脳の機能は低下していくなかで、記憶や思考力を保つためにするべきことは何なのか。散歩や速めのペースの歩行…

脳卒中後の疲労 ~復職の課題

私は退院後しばらくあまり動かずにダラダラしていた。 家族からは動きなさい、リハビリだよと言われていた気がする。 少し動くと疲れるのが、身体が動かしずらくなったからなのか、神経疲労なのかわからなかった。ただ、リハビリスタッフから「神経疲労」と…

亜鉛補給でコロナ死亡率低下?

新型コロナウイルス(COVID-19)が2023年5月から2類から5類になり徐々にマスクをしない人も増えてきたように思います。脳卒中患者などの健康弱者は自分の身は自分で守らなければならないと思います。 今回、サプリメントでも販売されている亜鉛についての論…

ウイルス感染時の発熱が重症化を抑制。腸内細菌叢?

子供の頃、親から風邪をひいたとき、高い熱が出るが、これは免疫による抵抗力を高め、ばい菌などと身体が戦っているのであると教えられた方は多いのではないでしょうか…。しかし、ウイルスに感染した場合に外気温や体温がウイルス感染症の重症度に及ぼす影響…

新型コロナ感染前の睡眠状態が後遺症に影響!?

睡眠と免疫力との関係はこれまで様々なところで見聞きしますね。 免疫力と新型コロナウイルスについての相関は疑問の余地はないでしょう。 今回は、睡眠と新型コロナ後遺症の関係についての論文を紹介します。 はじめに 多くの新型コロナ感染症患者が長期に…

糖尿病治療薬がコロナ後遺症リスクを減らす!?

新型コロナウイルスはオミクロン株以降は重症化リスクがインフルエンザと同等以下に下がり、普通の風邪になったと言われることも増えてきました。一方で、インフルエンザではあまり聞かなかった「新型コロナ後遺症」について耳にする機会は増え、不安はなく…

2023年 新型コロナ感染症の実態

はじめに 日本では、ワクチン接種率が高い。にもかかわらず、多くの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が日々確認されている。では実際に、どのくらいの人がCovid19に感染しているのだろうか。東京都心の真ん中で、医療者をはじめとした職員を対…

脳にはベリー類などの食品が良い?

はじめに ベリー類やお茶をたくさん摂取すれば、加齢に伴う認知機能の低下を遅らせることができるかもしれないとしたら? 抗酸化物質のフラボノール類を含む食品や飲料は、高齢者の脳に有益な影響をもたらすことがある論文で示されました。フラボノール類は…

コロナ患者との接触がわかった人の行動指針

日本で大流行のコロナ第7波。 身近な方がコロナにかかることも増えています。 コロナ患者との接点がわかったとき、どのような行動をとればよいのかの指針を紹介します。 ※指針はワクチン接種の有無やCOVID-19感染歴の有無によらない。 ①曝露が判明したらす…

現金(紙)を介して新型コロナに感染する可能性は低い

あんなに気をつけていたのに、どうして新型コロナにかかってしまったのだろうか。 そんな疑問に対する答えは、感染しやすい場面と状況を知ることだと思います。 多くの人が手で触れる紙幣や硬貨は感染源として避けられていますが、紙幣や硬貨を介して新型コ…

高齢者の4回目ワクチン接種。オミクロン株への有効性

高齢者はコロナのワクチン接種を受けましょう! というお話です。 まとめ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン(BNT162b2[ファイザー製]、mRNA-1273[モデルナ製])の4回接種は、3回接種と比較し、オミクロン変異株流行中の長期療…

食事が認知症リスクに関与

医食同源という言葉を聞いたことはありますよね。 「食事は医療の根本であり、病気を治す薬と健康を増進する食事とは、本来根本は一緒であるから、日常の食生活に留意することが大切だ」とする東洋医学の考え方です。 この一部を証明するような研究結果を紹…

スポーツ観戦でうつが抑制される可能性がある

スポーツで体を動かすとストレスが発散されることは多くの人が実体験を通してなんとなくは理解していると思います。しかし、スポーツをテレビで見ることでストレスが発散されると思う人はそれほど多くはないのではないでしょうか。 今回、日本人高齢者を対象…

マスク・手洗いでコロナ発症率は下がるのか?

コロナが落ち着いていることもあり、マスクはするけど、手洗いは少しさぼり気味になってはいませんか? 実際に、新型コロナウイルスへの感染、発症、死亡に関して、これらの感染対策はどの程度有効だったのか、メタ解析というエビデンスレベルの高い方法での…

高齢者がCOVID-19に感染する場所

国立感染症研究所実地疫学研究センターは、「高齢者の会合等、人が集う場面での新型コロナウイルス感染症に関する感染事例の所見と公民館や体育館等を利用する際の感染対策についての提案」を発表した。ここでは特に、高齢者が集った場合に発生したCOVID-19…

中年に運動は薬である

健康維持に運動が大切である。 そんなことは誰でも知っている。 わずか30分、週に5回、心臓の鼓動が少し速くなる程度の運動をすればよい。 時間を小刻みに積み重ねて週に150分とするのでもよい。 運動を推奨する研究報告が増えるに従い、特に中年期の身体活…

体重減少が脳卒中のリスクと関連

体重は最も馴染みのある身体データの一つだろう。 その体重で脳卒中との関連を示唆する研究が日本から報告された。 国立がん研究センターなどによるコホート研究(JPHC研究)によると、日本人男性では体重減少と脳卒中発症リスクの上昇に、有意な関連がある…

新型コロナは健康・若年・無症候でも脳卒中リスク上昇

シンガポールのTian M. Tu氏らは、脳梗塞は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に見られる神経学的合併症で、無症候性COVID-19患者の回復期においてもリスクは高いことを発表した。引用:JAMA Netw Open(2021; 4: e217498) 方法 解析対象は、2020年5…

起立訓練は嚥下機能を改善するかもしれない

嚥下障害の患者さんに、嚥下訓練をするのは当たり前かもしれません。一方で、一見関係なさそうな起立訓練が嚥下障害を改善するかもしれないという論文を紹介します。リハビリテーションでは部分ではなく全体を診ることが大事ということだと思います。 目的:…

1杯のココアが脳の働きを高める?

1杯のココアが脳の働きを高めるかもしれないという論文を紹介する。 英バーミンガム大学のCatarina Rendeiro氏らはカカオに含まれているポリフェノールの一種「フラバノール」が豊富なココアの摂取後に、脳の活性が向上することが確認した。 方法 18~45歳の…

麻痺の回復をめざさないリハビリ医療

日本におけるリハビリテーション医療は標準化されていない つまり、病院ごとにリハビリの内容やそもそもリハビリの目標が異なる。 特に、脳卒中患者は、この現状を絶対に知っておかなければならないと思う。 麻痺の回復を目指さずに、麻痺のない側を鍛えるこ…

リハビリ意欲を育む

1.意欲とリハビリテーション リハビリテーションの効果を高めていくためには,患者のリハビリへの意欲は非常に重要な要因の1つであることが研究により報告されている1,2). しかし,リハビリに関わる専門職の間で「意欲」の定義が統一されておらず3),意欲…

認知症患者のリハビリは効果がない?

リハビリテーションの現場において認知症患者はリハビリ効果が出ずらいことは周知の事実であると思います。しかし、一方でリハビリ施設・病院には認知症患者さんがたくさん入院しており、良い悪いを含めて発信してくことは必要なことだと思います。 要旨 ニ…

短期集中型自立支援プログラム(動機づけへの介入効果)

リハビリテーションは活動に対する介入であり、最終的に患者の生活の中に活かされて行かなければならない。 介護保険 短期集中型自立支援プログラムのアウトカムについての論文です。 プログラムの構成は、一般的な通所型サービスと同様で、さらにリハビリテ…

脳卒中後の職場復帰は歩行速度で予測可能?

いかに転帰(職場復帰)を予測するかは、リハビリ医療における重要なテーマです。 それにより支援や準備が変わってくるからです。 脳卒中を経験した若年成人では、歩行速度が職場復帰できるかどうかのバロメーターになるかもしれない。そんな研究結果を紹介…

ベジタリアンは肉食より脳卒中になりやすい!?

健康のためにと野菜や魚中心の食生活を、特に脳梗塞後からは気をつけている私にショッキングなタイトルの論文です。(以下の定義だと私は肉食群に入るようですが) 要約 オックスフォード大学のTammy Y N Tong氏らはベジタリアンと虚血性心疾患および脳卒中と…

仕事と家事のストレスは女性の心臓を蝕む

働き方改革が医療界へ 政府の働き方改革が医者の世界にも少しづつ浸透してきた。私が社会に出た頃は、ほぼすべての病院がブラックであったと思うが、東京のブランド病院に労働基準監督署が入ったり、過労死で若い医師が亡くなったことが大々的に批判的な報道…

「Wii Sports」は脳卒中後の上肢リハビリテーション有効か!?

はじめに リハビリでの入院生活というのはとても単一的で、あまり刺激的ではないものです。 VRやゲームは、そんなリハビリテーションを少し刺激的なものに変えるツールになるのではないかと思ったものです。 任天堂Wiiのソフト「Wii Sports」が、脳卒中後の…

心拍数75回/分以上の中年男性は死亡リスク2倍!?

血圧と心拍数はとても身近な健康データです。 そんなデータにも身近なリスクが潜んでいるかもしれません。 雑誌「Open Heart」に発表された研究です。 ・ヨーテボリで1943年に生まれた男性1,450人をランダムに抽出し、このうち1993年の生活習慣などに関する…

脳卒中後の課題指向型リハビリは従来作業療法より劣る!?

急性期リハビリテーション後、強度・回数を増した課題指向型リハビリを行うことで通常リハビリと比べて機能回復が良好であることが示されていた。 今のリハビリテーションの最先端のように感じていたが。 要旨 米国Carolee J. Winstein氏らが361例を対象に行…