脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

CSI ~人と人との関わりでの分類~

以前の記事でエニアグラム、9つの性格を紹介しました。

これは、その個人の性格、内面を分析したものです。

 

naorureha.hatenablog.com

 

学んでみると、いくつかの性格が自分に当てはまることに気づきます。

つまり、ある種の傾向を把握することはできますが、人の性格を分類するのは簡単ではないということがわかります。

 

また、「家族といるときの私」「学校の友達といるときの私」「クラブ活動の友達といるときの私」、これらの私はすべて同じでしょうか。このような疑問がわいてきてしまいます。

 

私たちは一緒にいる人によって、少しづつ自分が異なることに、気づくでしょう。

 

そこで、以下ではコミュニケーションスタイルによって分類したCSI(Communication Style Inventory)を紹介します。ビジネスで応用できると紹介されていたものです。

これも私が大学生の頃にまとめたものですが、正直経験が乏しかったからでしょうか。当時は、ほとんど活用できることはありませんでした。

 

1.CSI(Communication Style Inventory)

 

・コミュニケーション・スタイルによって分類する方法

・チームをまとめていったり、部下や後輩を指導していったりするためのコミュニケーションにおける、コーチング流タイプわけ

 一言でいうなら、ビジネスでの付き合いのための分類

 

分類: コントローラー プロモーター サポーター アナライザー

4つのタイプ

 

2.人をも場をも支配しようとするコントローラー

 

人からああしろ効しろといわれるのが一番嫌いなタイプ。状況はすべて自分がコントロールしたい。だから、中小企業の社長さんに非常に多いタイプ。企業人の場合は自分が人から干渉されない環境というものを何とか作り出そうとしている。

 リーダーシップに優れているが、民主的なリーダーというよりはトップダウン型のリーダーである場合が多い。

 

特徴

行動的で、自分が思った通りに物事を進めることを好む。過程よりも結果や成果を重視する。リスクを恐れず、目標達成に邁進する。他人から指示されることを何よりも嫌がる。

 

  • 行動的、野心的、エネルギッシュ
  • 自分の思い通りに物事をすることを好む
  • 決断力あり
  • 支配的、威圧的
  • 人間関係より仕事優先
  • 起業家タイプ
  • 正義感が強い
  • ペースが速い
  • 保身的な態度を嫌い、正直であけっぴろげな性格
  • 自分の内面に目を向けるのは苦手
  • 人の話を聞かず、結論を急ぐ

 

対人関係

 

  • 人を寄せ付けない印象を与える
  • やさしい感情を表すことは苦手で他者から怖がられる
  • 人をコントロールしたがる
  • 自分のことをコントロールしようとする人には反発する
  • 闘いを通して相手を知ろうとする
  • 自分以外の人間は弱い存在だと思っている
  • 自分の内面に他者同様の弱さを見ないようにするために相手を責める傾向がある
  • 人をなかなか信頼しない
  • 人の気持ちには鈍感なほう

 

3.注目こそがやる気の源プロモーター

 

注目されることがとにかく好きなタイプ。話の中心になる周囲から最上級の表現で褒められる、仕切り役をまかされるなど、自分にはっきりと周りから関心の目が向けられている状態を好む。誰かの二番煎じになるのがとにかく嫌いで、新しいアイディアを試す、新しい仕事に挑戦するといったことがこのタイプのモチベーションを高める。

 失敗談も含めて自分の自慢話を大きな身振り手振りを交えて、いつもべらべら話しているような人。

 

特徴

自分のオリジナルなアイディアを大切にし、人と活気あることをするのを好むタイプ。自発的でエネルギッシュ、好奇心も強く、楽しさこそ人生と思っている。多くの人に好かれる。ただ、飽きっぽいところがあり、一つのことを達成したり、持続するのが苦手。

 

  • イデアが豊富で創造力もある
  • 人と活気のあることをするのが好き
  • 楽しいことが好きでエネルギッシュ
  • 細かいことはあまり気に留めない
  • 計画を立てたり計画通りにするのは苦手
  • あきっぽい
  • 変化、混乱に強く、順応性が高い
  • 新しい仕事を始めるのは得意だが、プロジェクトが進んでからの、定期点検は苦手
  • 先見性がある
  • 場を仕切るのが好きでまた得意である

 

対人関係

  • 一緒にいて楽しい人
  • ときにうぬぼれ屋、お調子者と言われる
  • よく話して、あまり聞かない
  • 話の展開が早くて聞き手がついてこられなくなる
  • 過去の規則や慣習にとらわれないので周りの人と衝突することがある
  • 社交的でオープン
  • 人を承認するのが得意で、承認されるのも好き
  • 人のモチベーションをあげる
  • 気軽にコミュニケーションを交わす
  • 人とのかかわりでは感情表現は豊か

 

4.人間関係が何より大事サポーター

 

俗に言う「いい人」。「ぎすぎすした関係」はこのタイプが最も避けたいものの一つで、とにかく「和」を構築するように行動する。いつも頻繁に相づちを打ってこちらの話を聞いてくれて、ものを頼むとどんなに疲れていてもいいよと返してくれるような人

 

特徴

人を援助することを好み、協力関係を大事にする。周囲の人の気持ちに敏感で気くばりに長けている。一般的に人が好き。自分の感情は抑えがち。人から認めてもらいたいという欲求が強いのが特徴。

 

  • 人を援助することを好む
  • あたたかく、穏やか
  • 職場では協調性が高く、意欲もある
  • 計画や目標を立てることにはあまり関心がない
  • 決断には時間がかかる
  • 人のこころを読むのが得意
  • 直観力がある
  • 感情に基づいて判断する
  • リスクを冒すのは苦手
  • ビジネスよりも人優先

 

対人関係

  • 他人の気持ちに敏感
  • 親密な人間関係を築く
  • 人の期待にこたえるような行動をとる
  • 人の心を休める
  • 気くばりがある
  • 対立を避ける
  • 人とのつながりを大切にする
  • ノーと言えない
  • 無意識に相手からの感謝や愛情を求めている
  • 常に関心をもたれたい

 

5.冷静沈着慎重派アナライザー

 

分析することを好む。じっくり状況を観察し、データを集め、それから行動を起こす。「まあいいからちょっとやってみるかな」なんてお気軽に新しいことを始めたりはしない。常に慎重に構える。思いついたことをばあ~と言うようなことはせず、よく考えながらじっくりと言葉をつむぎだす。

 

特徴

行動の前に、多くの情報を集め、分析計画を立てるタイプ。物事を客観的にとらえるのが得意。完全主義のところがあり、ミスを嫌う。問題解決と分析の専門家。人とのかかわりは慎重で感情をあまり外に出さない。

 

  • 行動は慎重
  • 物事に取り組むとき、データを集め分析する
  • プランニングするのが好き
  • 客観的、冷静
  • 失敗や間違いが嫌い
  • 系統だったことや規則を好む
  • 粘り強く最後までやり遂げる
  • 変化や混乱には弱い
  • 先見性がある
  • 堅実で優れた仕事をする
  • 明確で論理的な話し方をする

 

対人関係

  • 他人からは頑固まじめと言われる
  • 対人関係も慎重
  • 孤立してもあまり苦にならない
  • 助言者やコメンテーターという「傍観者」になりがち
  • 他人を批判することはあまり好まない
  • 自分のことはあまり話さない
  • 人は好きだが、大人数は苦手
  • 感情表現はあまり得意でない
  • 人からのフィードバックや情報を深刻にとらえがち
  • 安定した安全な人間関係を好む

 

6.コントローラーとの接し方

 

インスタント見分け方

一番わかりやすいのが質問を投げかけたときの反応の仕方。コントローラーは不意に質問をされたりすると防衛反応がでる。つまり、とたんに腕を組み、足を組み、付け入られる隙を与えないように反応時間が早くなり、それ以上質問するなといわんばかりに語尾を白黒はっきりさせて断定的になる。

 

接するときのキーポイント

  • とにかく相手をコントロールしないこと。コントローラーは質問を自分に対するコントロールと受け取る。質問するより、教えを請う

 

コントローラーは質問されるより質問する側に立つことを好む。ジャーナリスト、新聞記者、などにコントローラーが多い。

 

例えば、企業のエグゼクティブにいくら質問しても

              「御社の経営環境はどうですか」

              「まあ、ぼちぼちだな」

 

と話をなかなか引き出すことができない。こういう方に

 

    「これから常務のコーチングをさせていただくわけですが、最大限の成果を得るためにも、まず御社がどのような経営環境におかれているかぜひお教え願えないでしょうか」

 

とたずねると、立て板に水のごとくたくさん話してくれる。

 

何のためにそのことを聞くのかというこちらの意図を最初に明確に相手に伝えることにより、コントローラーの防衛を少し下げることができるわけである。さらに、教えて欲しいといった表現を使うことで、相手を教える人に仕立て上げてしまうことができ、主客を逆転できる。

 

  • ストレートに褒めることはしない。

×「社長はリーダーシップに優れてますね」

○「社員の方、生き生きしていますね。社内をあるいて実感しました」

 

などとその人自身ではなく、その人が関わった結果、影響され変化を受けた外側について褒める。

 

  • 単刀直入に要望を伝える。

まわりくどくいわれると、自分がコントロールできない状況に陥って、「何が言いたいんですか!!」ということになってしまう

 

  • コントローラー上司には報告、連絡、相談を欠かさない。

 

多くの情報を短い時間で収集して、いち早く判断できる状態に自分を起きたい。だから単刀直入に結論から言う。判断材料の入手ルートを失うということはコントローラーにとっては生命線を絶たれるようなところがある。だから、コントローラーの上司は部下に対して自分にまめにいわゆる報連相」することを求める。

 

  • 95%の信頼と5%の挑戦

 

コントローラーは基本的には自分の判断を部下に尊重して欲しいと思っています。でも、最終的には「よい」判断を下したいと思っている。だから、自分にネガティブな情報をストレートに伝えてくれる人を大事にする傾向がある。ただし、95%の信頼があったうえでの挑戦である。

 

7.プロモーターとの接し方

 

インスタント見分け方

成功体験について聞いてみるのが一番。「今月すごくよかったけど、どんなところがうまくいったの?」。こういう質問をされると、プロモーターはここぞとばかりに顔を紅潮させて話しはじめる。話し方の特徴としては、まず身振り手振りが多い。人に影響を与えたいわけだから必然的にジェスチャーが多くなる。それから場面が頻繁に変わる。A社のことを話していたとおもったら、B社の話になったり、突然一年前のことを話したり・・。正しく論理的に話そうなんて思っていないので、相手の関心を引きそうな話を次から次へと並べ立てていく。感情表現も多いし、声のトーンも平坦ではなくアップダウンが強くつく。

 

接するときのキーポイント

一番大事なのは「影響すること」。周囲に影響できていると実感があるときはモチベーションは高い。逆に影響できてなかったりするとモチベーションが下がる。このことを忘れない。

 

  • プロモーターを動かすには夢から語る

プロモーターを動かそうと思ったら、何よりもまず「夢」から語る必要がある。しかもプロモーターの根底にあるのは他人に影響したいという思いだから、その夢の中で彼がどんな影響を人に与えるだろうかを語る必要がある。

極端に言えばプロモーターには正しい目標かどうかはどうでもいい。今と未来の間はきっちりつながっていなくても、その絵の中で自分の周囲に対する影響を感じ取ることができれば、それでもう動き出すことができる。

 

  • 理屈は不要。細かいチェックは厳禁。先発隊として活用する。

 

プロモーターは組織の中で常に先発隊として使うべき。どんどん夢を与え、夢を語らせて、そして動いてもらう。細かいチェックはしない。多少の失敗には目をつむる勇気を持つ。これがプロモーターと目標を設定するとき、相手の行動に関わるときに求められる基本的な姿勢。

 

  • 何でも褒める。ビックリマークつきで!!

 

プロモーターは褒められるのが好き。何でもいい。褒められれば!!

コントローラーのように裏を読んだりはしない。人に影響したいわけで、感化したいわけだから、いくらでも褒められたい。

 

  • 否定されるのが嫌い。ビジョンを伝えて改善点を指摘する

プロモーターは否定されるのが苦手。コントローラーはある程度の自分に対する否定は、自分がよりよい判断を下すために重要な情報だと受け止めるが、プロモーターはあまりそうはいかない。

プロモーターにネガティブなことを伝えたいときは、「君がもっとこうなるためには、もっとこうした方がよいと思うんだ」とまず先にビジョン伝えてそれから改善点を指摘するのが鉄則。

 

  • プロモーターは自分の判断を尊重してくれる人が好き

人とコミュニケーションを交わすときも、瞬間瞬間自分の影響を確認していたいようなところがある。

1.間口の広い質問が好き

              思いつくままに、アイディアを聞かせてよ

2.成功体験を話すのが好き

3.相づちを2回打たれるのが好き

4.驚く

 

コントローラーは基本的に自分の判断を尊重してくれる人が好き。プロモーターは自分の影響を感じ取ってくれる人が好き。

 

8.サポーターとの接し方

 

インスタント見分け方

サポーターは質問に答えるときに、自分の答えが相手に受け取られるようにリスクマネジメントをします。つまり、答える前に「一度聞きいたことがあると思いますが」「あくまで一つの可能性だと思うんですが」「他の意見もあると思いますけど」などと、自分の答えが相手に抵抗感を抱かせないように気を使う。

 

接し方のキーポイント

 

振る舞いの根底には人と「合意」をつちかいたいというのがある。戦いをとにかく避け、そこにとにかく合意を作り出したい。合意が組織の中に作り出せるのであれば、多少自分を犠牲にしてでも、身を粉にして貢献する。

サポーターと接するにはサポーターの貢献を十分に承認すること、これが最も重要。

 

  • とにかく関心を持つ。結果だけでなく、プロセスにも。

サポーターはとくかく頻繁に自分のことを認めてほしい。結果だけでなくプロセスに関心を持って、ちょっとした行為もちゃんと認知して欲しい。認められることで、お互いの間に合意がある、合意に向かって進んでいるということが確認できるから。

ところが、コントローラーは自分自身が結果が出たときだけ一言シンプルに言葉をかけて欲しいというスタンスなので、サポーターのなかには行き場のない思いが溜まっていく。

 

現代の本能寺

調べてみると、ある日いきなり辞表を提出して会社を辞めたって言う方には圧倒的にサポーターが多い。不平不満を言わず、何とか会社のためにと思ってやってきたのに、それを認めてもらえず、最後はば~んと自分から切ってしまう。

 

ちなみに、日本人の女性はサポーター気質の人が多いと一般的に言われている。次のことをよく認識する。

 

「このタイプは自分が注いだ愛情に対して、無意識のうちに相手に代償を求める傾向にあります。相手がそれを評価してくれないと、逆に怒りに転化し、激しく攻撃してくることがある」

 

  • サポーターにはIの立場で褒める

 

プロモーターは「すごい!」「ばっちり!」とかビックリマークでぐっと盛り上がるが、サポーターはそれほど単純ではない。

褒め方にはYOUとIがあり、サポーターはIで褒める。

たとえば、「今回の件ではホントに感謝してるよ」「君のおかげで仕事がはかどって助かった」「いつも貢献してくれてありがとう」などである。

 

  • サポーターは丸投げされると重荷に感じる

 

全部任せるぞというのはコントローラーやプロモーターにとっては非常に強力な承認の言葉となりますが、サポーターにとってはちょっと荷が重い。

「協力するから、いっしょにやっていこう」「なんかあったらいつでも相談に来てよ」

こういう言葉を投げかけ、実際に動き出したら頻繁に声をかける。こういうアプローチが必要。

 

  • 本人の成長よりも周りの恩恵を強調する

「君のためになると思うんだ」とサボーター自身の成長に焦点を当てるのではなく、「人のため」を強調する

 

  • 詰問されると相手の期待にこたえるいい返事をしてしまう

 

  • サポートしたいという気持ちを伝えながら尋ねる

 

「いつも君の貢献には感謝しているよ。最近、どうなの?」

 

 

 

9.アナライザーとの接し方

 

インスタント見分け方

とにかく正確に物事を伝えたいから、ちょっと負荷のかかる質問をすると、即答はせず「そうですね・・」と間をおくようになる。インパクトを与えることを優先したりはしないので、わりとフラットになる。「正しく」話をしているかどうかがカギ。

 

 

  • あいまいに「最近、どう?」と聞いても答えられない

特にプロモーターは人に「どう?」とかのりのりの顔をして突然聞いてきたりする。これは、単なるご挨拶であるのだが、アナライザーは「なにがだろう?」って真剣に悩んでしまう。これは、アナライザーにとって大事なのはなんと言っても「正しさ」だからで、間口の広い質問では、どこから始めてよいかわからなくなってしまう。

 

  • 質問の範囲を狭め明確にして尋ねる

 

×最近どう?

  • 最近A社とB社の商品の扱いが少し落ち込んでいるけど、どんなことが原因だと考えている?」

 

  • 主観に迫らない。客観的に答えられる質問をする

 

どうしたいか、どんな感じか、といった主観はなかなか正確に話せるものではない。アナライザーはこの主観すらも正確にとらえて話そうとするから言葉にならない。

だから、なるべく客観的に見て話せるような質問をする。「この部は将来どんな風になっていくかな?」「どのようなサービスが他社との差別化になると思う」

 

  • その場で答えを迫らない。あらかじめ質問を示しておく

いずれにしても時間的な余裕を与える。正確に話すためのまとめる時間を与えることが大事。

 

  • 夢で動くプロモーター、現実に立脚しようとするアナライザー

アナライザーは不測の事態をなるべく避けたいわけで、なるべくたくさんの情報を集め、未来をシュミレーションして、それから一歩を踏み出したい。

 

  • 会社が大きくなるときにはアナライザーの分析力と計画性が不可欠

 

  • 単におだててもだめ。具体的に専門性を評価する

褒めるときは、理由と具体性が必要。アナライザーが一番動機づくのは自分の専門性が評価されたとき

 

  • 急激な変化、返答を強要しない

 

  • 新しいことを始める際は、根拠と目的、手順を示す

アナライザーは急激な変化を嫌がる。また、とりあえず集まるぞみたいな枠組みのはっきりしないミーティングに出ることにもストレスを感じる。彼らにとって未来は予測可能なほうがいい。

ミーティングをするのであれば、明確に、なぜそのミーティングをするのか、その中ではどんなことが話し合われて、時間はどれくらいかけるのか。こうした情報をあらかじめ十分に与える必要がある。

 

  • プライベートなことは親しくなってから

 

 

10.質問の仕方

 

コントローラー

唐突に質問して「コントロールされるかもしれない」という印象を相手に与えないようにすることが大事。なぜそれを聞きたいのか明確に理由を伝え、質問よりは「教えて欲しい」「聞かせて欲しい」といった相手を立てるような表現のほうが好まれる。

 

プロモーター

いきなり間口を狭めた質問をせずに、「なんでもどこからでもいいから話してくれよ」と相手に話せる幅を広く与えよう。褒められることが好きなプロモーターは、ちょっとした自分の考えにも相手が肯定的な反応を返してくれると、どんどんのってくる。下手に質問するくらいなら「それで、それで」「もっと聞かせてよ」と話を促すような相づちをたくさん入れたいところ。

 

サポーター

どのような質問の仕方をしても基本的には答えを返してくれる。ただ、プレッシャーをかけてしまうと、自分の意図とは裏腹に相手が期待する答えを返してしまう可能性がある。まずは、「いつもよくやってくれているな」と相手に承認を与え、それから質問をするよい。

 

アナライザー

話すときは常に自分の考えを正確に伝えたいと思っているから、「最近どう?」などと間口の広い質問をしないこと。具体的にこれについて聞きたいと間口の狭い質問をする。また、その場でごりごり引き出そうとせず「あとで教えてくれよ」とこちらから間を作り出してあげたいところ。

 

11.褒め方

 

コントローラー

大げさな褒め言葉は厳禁。褒めることによって自分をどこかに誘導しようとしているのではと勘ぐられてしまう。コントローラーを承認するときは、その人自身に言葉を向けるのではなく、その人の起こした行動の結果、周囲にどのような影響が及んだかを指摘するのがよい。

×リーダーシップあるね

○チームが生き生きしているね

 

プロモーター

ビックリマークさえついていれば、褒め言葉の質は関係しない。

 

サポーター

その人の貢献が自分にとってどんな意義があったのかを伝えていくのがよい。

サポーターは図に乗ることなんて心配しなくていいので、年中「ありがとう」という。

 

アナライザー

専門性についての認知をする。具体的にこの部分に「玄人さ」を感じると伝えることができればいい

 

12.要望の仕方

 

コントローラー

結論から単刀直入に、が基本。コントローラーは親分肌のところがあるから義理人情に訴えかけるように結論をピンポイントで伝える

 

プロモーター

これがやれるのは、君しかいない、みたいに気分をよくして、ハッピーにしてからお願いする。もちろんすばらしいとやってくれたことに対して承認を与えないと、次にはやってくれなくなる。

 

サポーター

自分が手一杯でもイエスで答えてしまうところがある。だから、要望するときは相手の表情に目を配り言葉でイエスといっていても顔でノーといっていたら、「少しきついんじゃない?」と水を向ける余裕が欲しい。

 

アナライザー

なぜそれをして欲しいかの明確な理由を添えて伝える。

 

13.仕事の任せ方

 

コントローラー

任されるのは理想的な状況なので、とにかく任せてあとは放っておく

 

プロモーター

任されるのは好きだが、コントローラーと違って承認をエネルギーにしているので、よく見ていて、「いいね」「その調子」などと伝えていく。

 

サポーター

コントローラーやプロモーターと違って、丸投げされることを嫌う。合意をとりながら仕事を進めて生きたいタイプなのでど~んと放っておかれると「自分に対する関心がないのではないか」と受け取ってしまう。よって、なるべく頻繁に声をかける

 

アナライザー

アナライザーは無から有を作るのはあまり得意ではない。とにかく任せるといわれても戸惑ってしまう。ある程度方向が見えている中で、自分の専門的役割を発揮することを期待されるほうが力が出せる。

 

 

14.目標提示の仕方

 

コントローラー

コントローラーは勝負師で、勝ち負けにたいへんこだわるタイプ。もともと目標に向けて動くのが好きな人たち。だから、多少ストレッチしたくらいの目標を、一言シンプルに「頼んだよ」と言い添えて提示するのがよい。

 

プロモーター

魅力的なビジョンを提示する。あとは「君なら必ずできる」これですべて。

 

サポーター

サポーターに目標を提示するときは、その提示された目標についてどんなことを感じたり思ったりしたか、とにかく丹念に聞いてあげること。

納得するかどうかが問題なのではなく、「少しきついな」という思いをいえたかどうかがサポーターには問題。胸のつっかえがないサポーターは強い。

 

アナライザー

客観的な情報を伝え、いかにその目標が「正しい」ものなのかを伝える。アナライザーには何よりも裏づけが必要。

また、道筋が見えるようにある程度の方向性を示し、また起こりえるリスクなどについても言及し、不測の事態を回避することができるというメッセージをなるべく多く伝えたいところ。

 

15.報告の受け方

 

コントローラー

コントローラーが報告するときは単刀直入に結論から入ってくる。だから、上司からすると少し情報が少ないなと感じるときがある。そのとき質問攻めにしてしまうと、コントローラーの「ボタン」を押してしまうことにつながりかねない。なるべく「この情報はとても大事なので、もう少しプロセスについて教えてくれないか」というように、相手を非質問者でなく、情報提供者という位置付けにしてしまう。

 

プロモーター

いろいろ話は飛ぶが、そうすることで情報が整理されていく。忙しいなどといわず、少し自由に話させてあげる。

 

サポーター

サーポーターは自分から話すことが苦手。それは自分がとってきた行動のプロセスも聞いて欲しいと思っているから。そこを聞いてもらうことで、自分の貢献が確認でき、また頑張ろうと思えるわけ。時間がないなどといってはいけない。報告を聞く瞬間というのは、サポーターを動機付けるチャンス!!

 

アナライザー

正しく話したいために、1~10まで話す傾向がある。じっくり間も取る。だから、なるべく耐える。もし難しい場合には「今はちょっと時間がないので結論だけ聞かせて欲しい。で、また明日の午前中それにまつわる君の考えやプロセスについて教えてくれないか」と仕切りなおすのがよい。