脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

雑記

続:低Ca、低Mgの土壌の地域でALSが多発していた機序の考察

前回の記事から続きます。 長くなりましたが、この記事の主題はALSの発症原因の考察です。 naorureha.hatenablog.com 前回まで、体内でマグネシウムが不足している状態とは、マグネシウムが細胞内で不足している状態である。マグネシウムの摂取量が不足する…

薬物治療の未解明:メトホルミンの多面的作用

はじめに メトホルミン(metformin)は、米国では2型糖尿病に対する第1選択薬として、最も広く処方されている薬剤である。2021年は9,100万件の処方箋、2004年の4,000万件から増加している。アメリカは医療費が高いため、費用対効果の点からも積極的に選ばれ…

脳梗塞のための役立ちリハビリグッズ

脳梗塞で片麻痺を患ってから5年以上が経過し、徐々にリハビリについても自分なりの理解が深まってきました。 今だったら、こういうやり方もあったな・・という便利なリハビリグッズを知りました。「今まさに入院している患者さん」をイメージしてリハビリに…

新・日本の階級社会

階級社会というテーマの本であるが、データ分析に基づいた日本社会の国民生活の分析を行った本である。格差について私はあまり知識がなかった。一方で、著者の主観的な主張を一方的に聞くことはあまり好きではない。データに基づいた等身大の日本の現状分析…

ALSはMg欠乏に起因するタンパク質合成の障害が原因という私の仮説

ALSについての考察は過去に行った。 その後、臨床医との議論を経て考えを更新した。 naorureha.hatenablog.com 表題の仮説は次の問いへの考察から。 その1 なぜ運動神経だけが特異的に障害されるのか その2 ALS初期に血液検査でCPKが上昇するのはなぜか そ…

脳卒中後の体調管理

脳卒中を患って知ることの一つは、自信を失うこと。特に身体、健康については一切を失います。 体力に自信はありますか? 風邪をひかない自信はありますか? 基本的にYESと答えてきた私が、今はYESと言えない。 コロナは怖いし、インフルエンザも怖い。 そん…

低Ca、低Mgの土壌の地域でALSが多発していた機序の考察

低Ca、低Mgの土壌の地域でALSが多発していた機序の考察をする。 背景の詳細は以下の記事を参照。 naorureha.hatenablog.com ALSガイドライン2023 に記載されているALSの原因・病態は ●遺伝的要因と非遺伝的要因が存在するが,両者にはグルタミン酸による神経…

ALSをはじめとした神経変性疾患のための食事療法

ALSをはじめ、神経変性疾患を患い戦っている方に私はこの本を強く勧めます。誤字脱字があったり、解釈について同意できない点も多少ありますが、現代医学で「治療法がありません」と医者に見放された患者達が必死に考え努力した血と涙の末の強い信念を感じた…

インフレから貧困を考える

多くの人は、病気になると「貧困」は現実的な課題になる。 どれだけ金銭的な余裕があったとしても、不安にならない人はいないだろう。 世の中は物価高のニュースが頻繁にながれるようになってきた。 「老人に冷たい国」という貧困と社会的孤立について、高齢…

山梨でCATV料金を節約

脳卒中になり、まず考えるのはお金のこと。 日々かかる生活費の節約の一つとして「山梨県」特有の節約について書いてみます。 東京などではTVは電源をつければ映るもの。NHKとアンテナがあれば民放は無料で見ることができます。けれど、山梨県民にとってはち…

脳卒中と障害者福祉

脳卒中を患った場合、リハビリテーションなどの治療により機能・ADLの改善を目指すことができます。しかし、それでも麻痺などの後遺症が残存することがあります。そのような場合でも、心身に障害がある方が、地域社会の一員として自立し、生活するための国・…

医療機関の組織マネジメントの実際

私は、医療機関で組織マネジメントに関わっている。 コンサルタントのような専門家としてではなく、いち医療従事者としてである。 いわゆる役職者になるにあたりマネジメント本は読んだが、理論通りにはいかない。試行錯誤の連続だった。結局、様々なことが…

新型コロナは健康・若年・無症候でも脳卒中リスク上昇

シンガポールのTian M. Tu氏らは、脳梗塞は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に見られる神経学的合併症で、無症候性COVID-19患者の回復期においてもリスクは高いことを発表した。引用:JAMA Netw Open(2021; 4: e217498) 方法 解析対象は、2020年5…

コロナ再感染が抗体陽性だと1/5に減る

アメリカにおけるエビデンスレベル高めのデザインによる研究論文を紹介します。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の再感染例が世界中で報告されている。健康な若年成人を対象にSARS-CoV-2の再感染に関する前向きコホート研究が実施された。その結果、SARS-C…

日本におけるコロナワクチン接種後アナフィラキシー 350例

2021年2月17日~4月4日までに、日本国内で新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして医療機関から報告されたのは350例あるそうだ。これらの事例について専門家評価が行われ、実際にアナフィラキシーとして判断されたのは79例であった。 以下、厚生労…

2-6-2の法則と組織マネジメント

1.2-6-2の法則とは? コロナ禍において、急速に経営環境が変化する中でも、長年の「やり方」が染みついた組織は変化を強く拒絶します。強い危機感から良かれと思って提案した施策も思うように響きません。そもそもの危機感も人によってバラバラです。持…

医療者の現在地:コロナ風評被害の実態

医療従事者は大なり小なり社会や人の役に立っているという自負があったと思う。 時々モンスターペイシェントと出会ったりしてもそれはごく一部の変わった人々だと思う程度であった。 しかし、新型コロナウイルス感染症によりその自負が根幹から揺さぶられて…

1杯のココアが脳の働きを高める?

1杯のココアが脳の働きを高めるかもしれないという論文を紹介する。 英バーミンガム大学のCatarina Rendeiro氏らはカカオに含まれているポリフェノールの一種「フラバノール」が豊富なココアの摂取後に、脳の活性が向上することが確認した。 方法 18~45歳の…

コロナウイルスの脳梗塞発症リスクはインフルの7.6倍

新型コロナウイルスはインフルエンザと変わらない、という声も聞こえるようになってきました。 新型コロナウイルスの死亡率をみての声だと思います。 しかし、脳卒中患者においては、新型コロナウイルスに伴う合併症まで含めて知っておかなければならないと…

脳卒中と自動車運転

1.脳卒中と自動車運転 ある時突然脳卒中となり生きるか死ぬかを経験した後、幸いにして社会復帰を目指すことができるようになった。そのとき、多くの方が直面する問題が自動車の運転です。 東京などの都市ならば電車やバスなどの公共交通機関がありますが…

睡眠とリハビリ

1.睡眠とリハビリ 脳梗塞・脳出血のリハビリテーションは「運動学習」と言われています。 運動を学習する「脳のトレーニング」です。 リハビリの一般的なイメージである筋トレとは全く違います。 赤ちゃんがハイハイから二本足で歩くようになるまでの過程…

新型コロナに備える:タケダ緑の習慣 免疫編

【質問】 脳梗塞など持病がある方は、コロナ騒動の中、もし自分も感染してしまったらと思い、不安で仕方ないと思います。あたなは免疫力を高めるにはどのようなことをしていますか? 【私の答え】 規則正しい生活(睡眠 運動 食事)+ タケダ緑の習慣 1.腸…

新型コロナに備える:タケダ緑の習慣 慢性炎症編

老化の原因の一つは「体内で起こる慢性炎症」である。 炎症はがんの原因になるし、さまざまな病気の入り口となる。 新型コロナウイルスについては、免疫力低下につながると私は考えている。 そこで、私が注目した「タケダ緑の習慣」の研究データを紹介します…

新型コロナに備える:腸内フローラを育てよう

患者「コロナが心配です。免疫力を高めるにはどうしたらよいでしょうか」 医者「睡眠をとり(規則正しい生活をして) ストレスをためず バランスの良い食事をとることです」 患者「睡眠、ストレス、食事・・・ですね。 バランスの良い食事とは具体的にどんな…

新型コロナに備える:BCGは打ちましたか

中国での大規模なデータと日本を含む世界のデータはほぼ同じ傾向です。 つまり、新型コロナウイルスは「年齢が高いほど死亡率が高くなる」ということです。 ニュースでは若い方の重症・死亡例などが報告され印象に残りますが、統計的にはそういうケースはま…

新型コロナに備える:解熱鎮痛剤は飲まない

フランスの厚生・連帯大臣Olivier Veran氏。神経科医(写真:代表撮影/ロイター/アフロ) フランスの厚生大臣オリヴィエ・ヴェラン氏が、コロナウイルスに関して、イブプロフェンを服用しないほうがよいと推奨した。イブプロフェンとは、非ステロイド性の抗炎…

病院における グーグルの「優れたマネージャーの8つの習慣」

病院は専門家の集まりであり、チーム医療のためにはそれぞれの専門家を束ねる優れたマネージメントが求められる。 しかし、実際は医師、看護師、セラピスト、ソーシャルワーカーなどがそれぞれ別々に計画を立て、お互い何をやっているのかよく知らないし、関…

病院経営は人なり

日本では働き方改革が進むが、ブラック労働が当たり前の医療の世界では特に若手医師の労働時間が減ると医療の質が下がり患者に影響が出るなどの反対意見が根強く、「長時間労働は必要悪である」と病院経営者の方々から反対論が声高に主張されている。 研修医…

会社の栄養・運動指導には医療費削減効果なし

人の生活習慣はなかなか変わるものではない。 食習慣となればほとんど変えることは不可能だ。 要旨 アメリカでは医療費が高いため、予防医学が盛んです。特に医療費コストの観点から会社でも健康プログラムが実施されています。しかし残念ながら、定期的な運…

2025年未来予想

医療では2025年問題といわれる団塊の世代が後期高齢者になる頃 日本はどうなっているのだろう? 国民皆保険はまだ続いているだろうか。 経済人が経済的観点から見た未来の日本は 「移民を受け入れ、規制を緩和し数字の上では経済が発展する」 私は、日本人に…