脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

新型コロナに備える:腸内フローラを育てよう


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患者「コロナが心配です。免疫力を高めるにはどうしたらよいでしょうか」

 

医者「睡眠をとり(規則正しい生活をして)

   ストレスをためず

   バランスの良い食事をとることです」

 

患者「睡眠、ストレス、食事・・・ですね。

   バランスの良い食事とは具体的にどんな食事でしょうか」

 

医者「それは・・・」

 

 

1.腸内フローラと免疫

 

人体には免疫システムが備わっていて、自己と非自己を区別し、病原菌や異物などの非自己を排除して病気から身体を守っています。

そして、免疫力は70%は腸、30%は心と言われています。

腸には人体で最大の免疫組織があって、その免疫組織を活性化しているのが腸内細菌(腸内フローラ)です。腸内細菌がいなければ、免疫組織は有効に働くことができません。

 

           腸内フローララボより

 

 

腸内細菌は2万種類以上、数でいえば1000兆個にもなり、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分けられます。

 

腸内フローラが健全に働くためには「善玉菌が多く、悪玉菌が少ない」というバランスが大事です。

 

        NOMURAホームページより

 

 腸内フローラはストレスにより影響を受けやすいという性質があります。ストレスを受けると大腸菌やバクテロイデス菌、クロストリジウム菌など悪玉菌が増え腸内での病原性が高まるのです。

 

 また、睡眠不足を含めた規則正しい生活が大切です。ウイルスを排除するNK細胞は不規則な生活をしていると活性が低下します。規則正しい食生活はリズムを狂わせず体内リズムを整えることができます。

 

 

 2・具体的な食生活

 

口から食べるものがお腹に届き腸内細菌を育てます。 

自分のお腹に飼っているペットをイメージしてください。

餌を与えなければ育ちませんが、一度のたくさん与えても食べきれません。

毎日適度な量を与え続けないといけません。

 

① 1日3食たべる     

 

体内時計・日内リズムを整える

 

② お酒はほどほどに飲む  

 

無理に我慢しない

                    

ビール半本、日本酒半合

※ 顔がすぐに赤くなるような人はアルコールの代謝酵素を持っていないためお酒が身体のストレスとなるため禁酒

 

③ 1口30回噛んで食べる     

 

唾液を出す(活性酸素を減らす) 

 

④ スナック菓子、レトルト食品、ファストフードはできるだけ食べない   

 

 食品添加物がたくさん入っている → 保存料は細菌を増えなくする薬

 

⑥ 味噌と納豆をたべる

   

発酵食品は善玉菌を増やすことがわかっている

   

特に、味噌は抗酸化作用を持ち、活性酸素を無毒化する働きを持っています

 

⑦ ニンニク、キャベツ、キノコを食べる

 

アメリカ国立癌研究所で、すぐれたがん予防効果の高い食べ物ランキング1位がニンニク。成分としてイオウ化合物のSアリルシステイン脂溶性スルフィド類などががん予防作用や免疫力の活性化に働いている。

 

 ⑧ 食物繊維をたっぷりとる

 

悪玉菌と呼ばれる大腸菌アンモニアや硫黄化物などの有害物質を作り出すが、O157など有害菌が入ってきたとき、私たちを外敵から守ってくれている。問題は、数を増やしすぎないことで食物繊維は善玉菌を増やし、悪玉菌を抑えることができる。 

 

⑨ 「シャワーだけ」はやめる

 

仕事が忙しい若者を中心に入浴せずに、シャワーだけ、という人が増えているそうです。身体を清潔に保つことが目的であればそれで問題ないのでしょう。しかし、腸の機能を活性化し、免疫力を高めるためには体を温める入浴が大事です。体温を1℃上げると免疫機能が30%上昇するとの報告もあるのです。

 

※もっと詳しく知りたい方は、藤田紘一郎先生の著書をご覧ください。

 

 

3.衛生仮説

 

コロナに気をつけたいけど、アルコールも売ってないし、マスクもない。

どうやったらいいのかと不安になる方も多いでしょう。実際に、誰がコロナにかかっているか本人すらわからない状況では100%備えることも不可能です。

 

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名古屋で、コロナウイルス陽性の診断を受けた男性がお店にいかれた映像が放送されました。驚いたのは、この時至近距離で接待し、カラオケを歌っていたスタッフは感染せず、男性と直接の接点がなかったソファーで化粧をしていたスタッフが感染していたことです。おそらく一定量のウイルスはスタッフの体内には侵入したはずですが、自身の免疫力で撃退できたのでしょう。ウイルスを体内に入れない水際作戦と同時に自身の免疫力を高めることも大切であるという事例だと思います。

 

 一般的には、風邪予防にはうがい・手洗いといわれてきました。うがいにはそれほど効果がないことが医学的に明らかになってきており、コロナウイルス対策として特に手洗いは強調されます。

 一方で、私たちの周りには目に見えない無数の菌がたくさんいます。腸には腸内細菌が済んでいますし皮膚には皮膚常在菌という菌がいます。この菌は私たちの免疫力を高め、身体を守ってくれているのです。石鹸で皮膚を洗うとコロナウイルスも死にますが、皮膚常在菌の90%が洗い流されてしまいます。アルコールもしかりです。

 

 手洗いをしなくてよいという話ではなく、何事も程度の問題であるということです。コロナウイルスを心配しすぎて手を洗いすぎれば、身体のバリアーも弱くなってしまうことを念頭に入れて、バンランスを大切にして生活をしていきたいものです。