脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

病院経営は人なり

 

日本では働き方改革が進むが、ブラック労働が当たり前の医療の世界では特に若手医師の労働時間が減ると医療の質が下がり患者に影響が出るなどの反対意見が根強く、「長時間労働は必要悪である」と病院経営者の方々から反対論が声高に主張されている。

 

 

研修医の労働時間を制限したアメリ

 

一方で、米国の卒後医学教育認定評議会(Accreditation Council for Graduate Medical Education:ACGME)は2003年、初期研修医の労働時間を改正し、それまでは週80時間以上、交替勤務の拘束時間は30時間以上が慣習化されていたが、週の労働時間の上限を80時間とし、交替勤務の上限は24時間(患者ケアの引き継ぎ時間は含まない)、当直勤務は3日ごと、28日間に休日4日(平均7日に1日)の義務化が課せられた。この改正の影響について、米国・ハーバード大学医学大学院のAnupam B. Jena氏らが改正前後の入院患者の30日死亡率、30日再入院率および入院費について調べた結果、初期研修期間の労働時間の大幅な削減は、医師訓練の質の低下とは関連していなかったという。(BMJ 2019年7月10日号掲載)

  

中国の古典「代悲白頭翁」の一節

 

「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」という詩があるそうだ。

 

つまり、「人生というものはあっという間に過ぎていく」という意味でお金や名声を得て、誰にも真似できないほどの贅沢をしても所詮、あの世に持っていくことはできない。権力や肩書という明利を得たとしてもせいぜい十年も続かない。

 

 

本来、医療で働く人ほど、人生のはかなさを実感していると思う。患者のためや病院のためなどと大義名分をたてたところで、若いスタッフを大切に育てられないシステムは改めるべきだろう。病院経営もまた人で成り立っており、その土台は若いスタッフである。

 

医療改革の旗手・武弘道が語る 病院経営は人なり

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