脳梗塞後の世界で生きる日記

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ベジタリアンは肉食より脳卒中になりやすい!?

健康のためにと野菜や魚中心の食生活を、特に脳梗塞後からは気をつけている私にショッキングなタイトルの論文です。(以下の定義だと私は肉食群に入るようですが)

 

要約

 

 オックスフォード大学のTammy Y N Tong氏らはベジタリアンと虚血性心疾患および脳卒中との関連を調査した前向きコホート研究「EPIC-Oxford研究」(BMJ誌2019年9月4日号)で、魚食や菜食主義(ベジタリアン)の人は、肉食の人と比較して虚血性心疾患の発生率は低かったが、ベジタリアンでは脳出血および全脳卒中の発生率が高いことを示した。

 

方法


研究は、1993~2001年に虚血性心疾患、脳卒中狭心症または心血管疾患の既往がない4万8,188例に対して、ベースラインとその後2010~13年に収集された食事の情報に基づいて、肉食群(魚、乳製品、卵を消費するかどうかにかかわらず肉を食べる人:2万4,428例)、魚食群(魚は食べるが肉は食べない人:7,506例)、菜食群(ヴィーガンを含むベジタリアン:1万6,254例)に分類し、追跡調査した。

 

  主要評価項目は、2016年までの英国医療サービスの関連記録から特定された虚血性心疾患および脳卒中脳梗塞脳出血)の発生とし、Cox比例ハザードモデル、Wald検定を用いて解析した。

結果

 18年以上の追跡調査の結果、虚血性心疾患2,820例、全脳卒中1,072例(脳梗塞519例、脳出血300例)が確認された。魚食群および菜食群の虚血性心疾患の発生は、肉食群と比較してそれぞれ13%(ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[CI]:0.77~0.99)および22%(HR:0.78、95%CI:0.70~0.87)低下した(p<0.001)。この差は、虚血性心疾患の発生が肉食群よりも菜食群において、10年以上で1,000人当たり10症例(95%CI:6.7~13.1)少ないことに相当した。


 一方、菜食群では、全脳卒中の発生が肉食群より20%増加した(HR:1.20、95%CI:1.02~1.40)。これは、10年以上で1,000人当たり3症例多いことに相当し、大部分は脳出血の増加によるもので、脳卒中との関連性は疾患リスク因子を調整しても減弱しなかった。

 

引用:Tong TYN, et al. BMJ. 2019;366:l4897.

 

 

過去の記事:私のリハビリ体験

 

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