脳梗塞などの後、「とにかく疲れやすい」というのは患者の多くの体感だと思う。
セラピストには神経疲労などと言われるが、周りの人にはわかりにくいことがなおつらい。
多発性硬化症患者(ここでは脳梗塞と思ってください)は、フラボノイドが豊富なココア飲料を摂取すると疲労が軽減する可能性があることが示された。
Coe氏らは抗炎症作用のあるフラボノイドが豊富に含まれていることで知られる「ココア」に着目し、再発寛解型の多発性硬化症成人患者40人を対象に、ココア飲料の摂取による疲労症状への影響について調べた。
(1)高フラボノイドのココアパウダーを溶かして飲む群(19人)
(2)低フラボノイドのココアパウダーを溶かして飲む群(21人)
にランダムに割り付けて、6週間毎日摂取した。
その結果、(1)11人(2)8人が疲労が軽減したと報告
高フラボノイドのココア飲料を摂取した群では疲労感が平均で45%低下した。また、高フラボノイドのココア飲料を摂取した群では、低フラボノイドのココア飲料を摂取した群に比べて6分間の歩行テストでより多くの距離を歩くことができたほか、歩行速度が80%改善していた。さらに、高フラボノイドのココア飲料を摂取した群では、疼痛症状もより改善したという。
これらの結果から、Coe氏らは、ココアに含まれるフラボノイドの抗炎症作用が、多発性硬化症患者の疲労の軽減に寄与したのではないかと推測している。
厳密には、多発性硬化症の疲労と脳梗塞の疲労の原因が同じである保証はありませんが、脳梗塞患者としては同じ脳の病気であり、脳の疲労感には共通する機序があるように感じます。
Coe S, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2019 Mar 4. [Epub ahead of print]