脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

山梨でCATV料金を節約

脳卒中になり、まず考えるのはお金のこと。

日々かかる生活費の節約の一つとして「山梨県」特有の節約について書いてみます。

 

東京などではTVは電源をつければ映るもの。NHKとアンテナがあれば民放は無料で見ることができます。けれど、山梨県民にとってはちょっと事情が異なります。

 

民放とは、日テレ・フジテレビ・テレビ朝日・TBSなどですが、山梨ではアンテナがあっても見れる番組は、NHK総合NHK教育に、民放2局のYBS山梨放送・日テレ系)、UTY(テレビ山梨・TBS系)のみです。盆地のためか電波が届かないようです。

 ケーブルテレビに加入すると、全チャンネルを見ることができるため、山梨県で一般的な家庭はケーブルテレビに加入します。

 ただし、工事費(17280円)・加入料(86400円)と約10万円の初期費用と、毎月3240円の利用料金がかかります。(2018年当時)

 もちろんこれにNHKの受信料も追加されますが、これがテレビにかかるあたり前の費用として、普及しています。

 

定期的に毎月これだけのお金がかかることに不満を感じ、ケーブルテレビを解約することにしました。「室内アンテナ」を購入し、セッティングをしたら、思ったよりもきれいに映りました。TVは4チャンネルだけ見れるようにし、利用料金の節約ができました。

※ただし、私は甲府市在住だったから電波が届きましたが、山梨県でも山間部の方は電波が届かず、この方法では視聴できないようです。

 

MAPDATA; Mapion

 

正直、器械にはあまり強い方ではないため、室内アンテナで映るようになるのか、セッティングは難しくないか、など不安でした。一度やってみて、うまく映らなかったのですが、何度か時間を空けてトライしました。

 

<自分なりの難しいと思ったポイント>

・室内アンテナはテレビに直接接続した(ビデオデッキではなく)

・室内アンテナをしばらく付けっぱなしにした。つけた直後は映らなかった。

 そのままにして、しばらくしたら映るようになっていた!

 

以下は、私が使ったアンテナです。ヤマダ電機で店員さんに相談し、購入しました。

 

 

脳にはベリー類などの食品が良い?

はじめに

 ベリー類やお茶をたくさん摂取すれば、加齢に伴う認知機能の低下を遅らせることができるかもしれないとしたら?

 抗酸化物質のフラボノール類を含む食品や飲料は、高齢者の脳に有益な影響をもたらすことがある論文で示されました。フラボノール類は、ベリー類などの果物や緑色の葉物野菜、茶、ワインなどに含まれています。

 

方法

 Holland氏らは、認知症がない60〜100歳の961人(平均年齢81歳)を対象に研究を行った。平均6.9年にわたる追跡期間中に、これらの参加者は年に1回の頻度で食事に関する質問票に回答し、1日当たりのフラボノール類の摂取量に応じて5群に分けられた。

 

参加者のフラボノール類の1日当たりの平均摂取量は、最も多い群で15mg(葉物野菜で約1カップ分に相当)、最も少ない群で5mgだった。認知機能については、参加者に対して1年に1回の頻度で実施された19種類の認知機能検査にて評価された。

 

結果

 年齢や性別、喫煙の有無を考慮しても、1日当たりのフラボノール類の摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べて記憶力の低下速度が遅いことが示された。また、フラボノール類の種類(ケンぺロール、ケルセチン、ミリセチン、イソラムネチン)で分類して、それらの含有量の多い食品を調べたところ、ケンぺロールはケール、豆類、茶、ホウレンソウ、ブロッコリーに、ケルセチンはトマト、ケール、リンゴ、茶、ミリセチンは茶、ワイン、ケール、オレンジ、トマトに、イソラムネチンはナシ、オリーブ油、ワイン、トマトソースに多く含まれていることが判明した。

 

考察

 フラボノール類は抗炎症物質であるとともに抗酸化物質でもあるため、フリーラジカルを破壊し、脳、心血管系や腎臓、肝臓などの臓器の細胞を酸化のダメージから守ってくれる作用がある。また、フラボノール類はサプリメントからではなく食品から摂取するのが最も良い。

 

結論

フラボノール類を接種することで加齢に伴う認知機能の低下を遅らせることができるかもしれない

 

私の意見

 今回の研究は、フラボノール類の摂取量の多さと認知機能の低下速度の遅さとの間に相関関係が認められた。しかし、これらは因果関係にあることを証明したわけではない。そのあたりの解釈は慎重に行われるべきだと思う。

 食品にはフラボノール類以外にも、食物繊維やビタミン、ミネラルなどさまざまなファイトケミカル(植物栄養素)が含まれている。これらの栄養素の相乗的な効果が、健康にベネフィットをもたらすと考えられている。

 

引用:Holland TM, et al. Neurology. 2022 Nov 22. [Epub ahead of print]

 

 

脳卒中と障害者福祉


脳卒中を患った場合、リハビリテーションなどの治療により機能・ADLの改善を目指すことができます。しかし、それでも麻痺などの後遺症が残存することがあります。そのような場合でも、心身に障害がある方が、地域社会の一員として自立し、生活するための国・県・市による各種制度があり、基本的なものを簡単に紹介していきます。

 

1.身体障害者手帳

障害の程度によって、1級から6級までに区分される

 

対象者:肢体(上肢麻痺、下肢麻痺 等)

    音声・言語・そしゃく障害(嚥下障害、言葉が話せない失語 等)

    視覚(視野が欠損する同名半盲 等)

 

☆受けられるサービス☆

 

自立支援医療】厚生医療、基本的には該当する内容はなし

 

【重度心身障害者医療費助成制度】 

対象者:身体障害者手帳 1-3級 等

内容:病院等で診療を受けた場合の医療費の助成。たいていは無料

   ※所得制限あり

 

2.精神障害者保健福祉手帳  

障害の程度により1級から3級に区分される

 

対象者:てんかん

    認知症などの脳機能障害(高次脳機能障害など) 

窓口:市町村の障害福祉

有効期限:2年

 

☆受けられるサービス☆

 

自立支援医療

 内容:通院治療を受けている場合の医療費(薬剤費含む)の自己負担を軽減する

 利用者負担:原則1割

 

【重度心身障害者医療費助成制度】 

対象者:精神障害者保健福祉手帳 1-2級

内容:病院等で診療を受けた場合の医療費の助成。たいていは無料

   ※所得制限あり

 

 

※ 注意事項

わかりやすさを重視し、大まかな内容を記載しました。詳細は市町村の障害福祉課や病院の社会福祉士にご相談ください。

コロナ患者との接触がわかった人の行動指針

日本で大流行のコロナ第7波。

身近な方がコロナにかかることも増えています。

コロナ患者との接点がわかったとき、どのような行動をとればよいのかの指針を紹介します。

 

※指針はワクチン接種の有無やCOVID-19感染歴の有無によらない。

 

①曝露が判明したらすぐにマスクを着用

 

②曝露日から10日後までの措置(COVID-19発症の可能性がある)


・自宅や屋内の公共の場で周囲に人がいるときは、常に高性能マスクもしくは医療用マスク(N95など)を着用する。


・マスクを着用できない場所(旅行や公共交通機関を含む)には行かない。


・重症化するリスクが高い人の近くにいる場合は、とくに注意する。


・発熱(38℃以上)、咳、息切れなどのCOVID-19症状が出たら、すぐに隔離し、検査を受け、結果がわかるまで自宅にいる。


・検査が陽性の場合は隔離に関する推奨に従う。

 

③曝露から6日後に検査を実施

・曝露から5日以上経過してから検査を受ける(症状が出ていなくても)。

・過去90日以内にCOVID-19の感染歴がある場合は、別途、推奨事項を参照する。

・陰性の場合、10日後まで上記措置を継続し、自宅や屋内の公共の場で周囲に人がいるときは高性能マスクを着用する。

・陽性の場合はすぐに隔離する。

 

参考: CDC:What to Do If You Were Exposed to COVID-19

現金(紙)を介して新型コロナに感染する可能性は低い

あんなに気をつけていたのに、どうして新型コロナにかかってしまったのだろうか。

そんな疑問に対する答えは、感染しやすい場面と状況を知ることだと思います。 

 

多くの人が手で触れる紙幣や硬貨は感染源として避けられていますが、紙幣や硬貨を介して新型コロナウイルスに感染する可能性は低いことが、ドイツのDaniel Todt氏らによる研究で明らかにされました。

 

はじめに

新型コロナウイルス主な感染経路は飛沫やエアロゾル(空気中に漂うウイルスを含んだ微粒子)だとされている。一方で、ウイルスに汚染された物の表面を介した感染リスクも否定できない。さまざまな人が頻繁に触るお金は、そうした媒介物の一つとして疑われてきた。

 

方法

紙幣、硬貨、クレジットカードと同じ材質のポリ塩化ビニル(PVC)製のプレート、および対照として用いたステンレス鋼の表面を滅菌。その後、これらを新型コロナウイルス、または無害なウシコロナウイルスを含む溶液で汚染し、ウイルスの安定性を調べた。また、試験参加者には、ウイルスで汚染した試料表面を、表面が濡れた状態のときに、または乾燥後に、指先で触らせた。その後、指先に付着したウイルスを培養し、感染性のあるウイルス粒子の数を確認した。なお、新型コロナウイルスで汚染した試料表面への接触には人工皮膚を用いた。

 

結果

 感染性のある新型コロナウイルスは、ステンレス鋼の表面には7日後でも残存していたのに対して、10ユーロ紙幣からはわずか3日で完全消失したことが明らかになった。10セント硬貨、1ユーロ硬貨、5セント硬貨では、それぞれ6日後、2日後、1時間後にウイルス消失が確認された。

 5セント硬貨でのウイルス消失が早かった理由についてTodt氏は、「5セント硬貨は銅製だからだろう。銅の表面でのウイルスの安定性は低いことが知られている」と説明する。

 また、参加者の指先から採取したウイルスの培養実験からは、試料表面が乾いた直後に指先で触っても、感染性のあるウイルスの伝播は全く見られないことが判明した。

 

結論

 実際の条件下で、現金から新型コロナウイルスに感染する可能性は極めて低い

 

 なお、今回の実験で用いた新型コロナウイルスは、野生株とアルファ株の2種類であったが、デルタ株などの他の変異株でも、同様の結果が得られると考えている。その理由は、変異株が感染力を保持する期間が野生株と変わらないからである。

 

原著論文:Todt D, et al. iScience. 2021;24:102908.

高齢者の4回目ワクチン接種。オミクロン株への有効性

高齢者はコロナのワクチン接種を受けましょう!

というお話です。

 

まとめ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン(BNT162b2[ファイザー製]、mRNA-1273[モデルナ製])の4回接種は、3回接種と比較し、オミクロン変異株流行中の長期療養施設の60歳以上の入居者において、SARS-CoV-2オミクロン変異株の感染(症状の有無を問わないRT-PCR検査陽性)、症候性感染および重篤なアウトカム(入院または死亡)の予防を改善することが、カナダ・オンタリオ州公衆衛生局のRamandip Grewal氏らにより示された。また、4回目接種者はワクチン未接種者と比較し、重篤なアウトカムへの予防効果は高いことも示された。(BMJ誌2022年7月6日号掲載)

 

方法

 カナダ・オンタリオ州長期療養施設626ヵ所において、2021年12月30日~2022年4月27日の期間にSARS-CoV-2のRT-PCR検査を1回以上受け適格基準を満たした、60歳以上の入居者6万1,344例を対象に、検査陰性デザインによる症例対照研究を行った。1週間に少なくとも1回陽性となった入居者、同じ週の検査がすべて陰性であった入居者を調査した。
 主要評価項目は、RT-PCR検査で確認されたSARS-CoV-2オミクロン変異株の感染、入院または死亡。

 多変量ロジスティック回帰法を用いて、年齢、性別、地域、併存疾患、検査実施週、90日以上前のSARS-CoV-2陽性歴等で補正し、限界有効性(4回接種vs.3回接種)ならびにワクチン有効性(2回、3回および4回接種vs.未接種)を推定した。

 

結果

4回目接種は、3回目接種よりオミクロン株感染予防をやや改善した。


SARS-CoV-2オミクロン変異株の感染陽性者は1万3,654例、陰性対照者は20万5,862例であった。ワクチン接種後7日以上を経過した4回目接種(95%がmRNA-1273を接種)の、84日以上経過した3回目接種に対する限界有効性は、症状の有無を問わない感染に関して19%(95%信頼区間[CI]:12~26)、症候性感染が31%(20~41)、重篤なアウトカムに関して40%(24~52)であった。

 ワクチン接種者の未接種者に対するワクチン有効性は、追加接種ごとに増加し、4回目接種では、症状の有無を問わない感染に関して49%(95%CI:43~54)、症候性感染が69%(95%CI:61~76)、重篤なアウトカムに関しては86%(81~90)であった。

 

原著論文:Grewal R, et al. BMJ. 2022;378:e071502.

私のリハビリ体験⑭ 脚が地面につくとき膝がグラグラする

歩行練習を始めた時、麻痺側下肢は曲げる力は弱かったが、伸ばす力は少しあった。

手で何かにつかまりながら、脚を伸ばし、少し体重をのせた状態で身体を支える。

 

そもそも非麻痺側だけでも少しの間なら立っていられる。

まあ、言葉でいうと簡単だが、実際はバランスボールに乗っているくらい不安定。しかし、人間の身体は不思議でこのような状態でも見かけ上歩くことはできたりする。

 

その時、脚を出そうにも膝が出せないが、腰のあたりで脚全体を持ち上げて、何とか前に出すようになる。(図1)

 

図1

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引用:観察による歩行分析

こういう歩くというより、かろうじて歩いているような状態から始まり、次第に下肢のパーツが動くようになってきた。いわゆる麻痺の回復の経過であるが、少しづつ歩いているようにみえるようになっていった。

 

しかし、最後まで(今でも)残った違和感がであった。

膝は不安定で歩くときに体重をのせようとするとぐらぐらする。体重がかかりそうになるところから、動きだし滑って行って、カクンと膝が最大限伸びた状態でとまる(図2)。

 

歩行分析で膝がぐらぐら不安定なことを動揺wobblesという。

これは立脚期に交互に起こる小さな膝関節の屈曲と伸展である。

この逸脱運動は小さな動きゆえ、訓練された目でしか確認できない。

ローディングレスポンスやミッドスタンス、ターミナルスタンスで起こる。

 

※ローディングレポンスでは足関節の過度の底屈が二次的に膝関節の過伸展を生じさせる(図2)

 

図2

足関節の過度の底屈

 

※ミッドスタンスでは大腿四頭筋の過緊張が膝関節屈曲を妨害し、過伸展を生じさせる(図3)

 

図3

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引用:観察による歩行分析

 

いろいろな原因があるらしいが、私の場合は理学療法士からは「膝は2関節筋だから、関節をまたぐ2つの筋がしっかり働かないとダメで、そこが弱いと思う」・・・と言われていた。足関節と膝関節双方の問題ということらしいが、詳しくは答えてはもらえないから、自信ないのかなぁと思っていた。

 

 

私見では、立脚後期の「TLA」がポイントだったようだ。

感覚的に言うと「股関節から麻痺側下肢が身体の後ろ側に伸びる(残す)角度のこと」である。足がしっかり後ろに残る。蹴る。これができなかった。

 

ちなみにこれを目的としたリハビリは行わなかった。正確にはよくわからず行えなかった。ただ、ひたすら散歩などで歩き続けた。

 

それでも数年間かけて、少しづつ下肢機能の改善が続いていき、次の課題として立脚後期の麻痺側の底屈モーメントがポイントになった。これは下腿三頭筋の筋力不足というと個人的にはわかりやすいと思っている。感覚的には足関節の問題である。(以下に続く)

 

naorureha.hatenablog.com