脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

ALSをはじめとした神経変性疾患のための食事療法

ALSをはじめ、神経変性疾患を患い戦っている方に私はこの本を強く勧めます。誤字脱字があったり、解釈について同意できない点も多少ありますが、現代医学で「治療法がありません」と医者に見放された患者達が必死に考え努力した血と涙の末の強い信念を感じたからです。ここで紹介されているいわゆる自らの経験を主体とした治療法は実は日本をはじめ古来から行われてきた東洋医学」そのものであると思います。誰もが医食同源は一度は聞いたことがあるでしょう。

 

以下同書を私なりの解釈にして紹介していきたいと思います。

ALSがタイトルにありますが、多発性硬化症認知症などいわゆる神経疾患、そして癌なども考え方としては同じように応用できると思います。そして興味を持たれた方はぜひ本書を手に取ってみてください。

 

1.医学的アプローチの分類

まず初めに、基本的な病気のとらえ方について整理します。本書では医学アプローチについて現代医学(西洋医学)、東洋医学、機能性医学と分類しています。機能性医学という新しい分野があるとの考えで語られていますが、私の考えは機能性医学は東洋医学に含め、「西洋医学」、「東洋医学の2つでよいと思います。

 前者の医学は人間を機械のロボットのようにとらえます。ロボットのパーツのように人体を臓器に分解して考えます。思考法は善悪二元論で、ある病気を診るみるとき、もともとの問題のない「善の部分」と問題が生じた「悪の部分」に分けます。例えばもともと問題のない善の身体に悪の細菌による感染により発症する感染症。これに対しては抗生剤で悪い細菌を駆逐しようとします。例えば、もともと問題のない善の臓器に悪い癌ができる。この悪い癌を切除する…などです。もっとも、人体も免疫反応を起こし細菌や癌に対して発熱など戦うための生体反応を起こしているわけですがそこはあまり強調されません。西洋医学のメリットは単純化されていてとても理解しやすい事と、目覚ましい効果があることだと思います。

 しかし、西洋医学感染症をはじめとした急性疾患に十分な効果が出た一方、西洋医学では成果が上がらない病気も残りました。それがALSをはじめとした神経変性疾患などの難病や自己免疫疾患、高血圧や糖尿病などの慢性疾患ではないかと思います。

 後者の医学、東洋医学では病気を善と悪にようにはとらえません。人間を生態系から俯瞰してみて、気などが循環する一つのシステムの一部とらえます。病気は一部の臓器ではなく、人体全体が病気であると考え、善と悪ではなく、気・血・水が不足したり停滞して、「気などの循環が滞った状態」という理解をします。言い換えると、「悪い病気を治す」という考え方をせず、「病気で崩れた生体バランス・循環を取り戻す」、「病気があったとしても、共に生きる」というアプローチを行います。

 

西洋医学は部分・静的、東洋医学は全体・動的にとらえるのですが、なかなかイメージを共有することが難しいようです。神経変性疾患・自己免疫疾患や高血圧や糖尿病など多因子が複雑に関与して生じる病気については西洋医学と共に、このようなアプローチも有効な選択肢になるのではないかと私は思います。

 

以下の本は西洋医学の負の面をわかりやすく説明しています。多くの薬が対症療法であるという事実と、対する東洋医学の違いへの理解が深まるかと思います。

 

 

2.まずは西洋医学

本書では標準的西洋医学治療を受け、それでも症状が進行していく状態の患者が取り組んだ治療法として食事療法を紹介しています。西洋医学では根治できないから、他の方法にすべて切り替える、ということは決して勧めないことを確認しておきたいです。

 まずは、しっかり標準治療を勉強した上で、さらに東洋医学的な要素も入れていること、それも自らの創意工夫の下で進めていくことを提案しています。なぜ人によって違うかは、西洋医学では病名=治療法ですが、東洋医学では病名=治療法ではありません。よって、万人に同じような特効薬は存在しないのです。

 

 現在、西洋医学は標準化といってどこの病院に行っても同じ考え方で治療を受けることができるように情報が発信されています。それが最も集約されたものが「ガイドライン」です。おそらくあなたの病気についても「ガイドライン」「治療指針」があるはずですからまずはそれをよく読んで勉強することから始めてください。今の治療の効果と限界を知ることから次のステップがはじまります。

 

3.食事療法の前に

 

ではなぜ食事療法なのか。

え、食事?それだけ? と思うのが正直な感想と思います。

しかし、この食事について、私たちがいかに無知であるか知ることで直感的に理解していただけたらと思います。

 

現在、ALSの原因は現在わかっていません。

そこで、自分なりに原因の仮説を立てることから治療が始まります。

 

「ALSの原因は神経系に貴金属が蓄積した結果、ウイルスやバクテリア、真菌などの病原体が繁殖しやすい環境が作られる。そのため、体の神経系統が徐々に侵されていく。」 ー セルヒオ(ALSリバース達成者)

 

これは患者さんが自ら必死で勉強をして立てた仮説であるが私はそれなりに納得できる仮説だと思います。そして、ALSリバースを長年研究しているオンラインサポートグループはALSの原因について、19項目を挙げています。ここでは著者の説明を私なりに改変し、整理して記載します。

 

原因① 重金属の蓄積

グアム島のチャムロー族はソテツの実を常食としており、彼らにALSなど神経変性疾患が多発する原因としてソテツの食習慣があるのではないかと考え調査が行われました。魚を取って食べる習慣がなく、土壌や飲料水にカルシウムやマグネシウムの含有量が乏しいこと、アルミニウムやマンガンなどが多く含まれていることなどが指摘されましたが、明確な原因はわかっていません。現在は食生活が欧米化し、ALSの多発はなくなっています。

 

アルミニウム(Al)

今のところ身体への必須性が証明されていません。臨床的には蓄積による中毒が問題となり、神経毒性があるといわれ、筋萎縮性側索硬化症アルツハイマー病においても大脳灰白質にAlが多く蓄積しています。

 

ALSが多発した紀伊半島南部地域の ALS 患者の脊髄内 Mn 濃度の高値、脳内 Al 高値、毛髪中の Mn, V 高値が示されています。 

参考:Kihira T, Okamoto K, Yoshida S, et.al. Environmental Characteristics and 
Oxidative Stress of Inhabitants and Patients with Amyotrophic Lateral Sclerosis in a 
High-incidence Area on the Kii Peninsula, Japan. Intern Med 2013;52:1479-1486

 

水銀中毒

歯の詰め物として使われるアマルガムには約50%の水銀が含まれており、最も有害な物質の一つで、口の中で蒸気化し体内に吸収される。日本では水俣病が有名です。

 

原因② 重金属の不足

食生活の欧米化に伴って、蛋白や脂肪など栄養状態が改善した一方、ミネラルの摂取量の不足や腸での吸収不良などが問題となっています。

 

マグネシウム(Mg)

Mgは種種の代謝の基本的反応の必須イオンとして重要な役割を果たし、300種類以上の酵素がその活性化にMgを必要とします。特に、リン酸伝達反応ATPが関与する酵素反応にMgがアクチベーターとして必須であることから、細胞膜機能、アミノ酸の活性化、DNA合成、タンパク質合成、リン酸化、筋収縮など細胞レベルのエネルギー代謝に不可欠です。

 

アメリカ合衆国の成人60%は必要なMgを摂取できていないと報告されています。日本人においても国民健康栄養調査では不足しやすいと推測されています。

 

マグネシウム摂取量を増加させても尿中マグネシウム排泄量は増加せず,大便中のマグネシウム量が増加することから,腸管からのマグネシウムの吸収に限界があり,一度に大量に摂取しても吸収されていない。

 

参考:カルシウム、マグネシウムの生体内での挙動 糸川嘉則 Inorganic Materials, Vol.1,No.252(1994)

 

1965年和歌山医科大木村潔教授が、紀伊半島南部地域の河川中マグネシウム、カルシウム濃度が大変低値であることに注目し、ALSとマグネシウム、カルシウム摂取不足との関連を明らかにしました。

参考:Kimura K. Studies of amyotrophic lateral sclerosis in the Kozagawa district of the Kii peninsula, Japan. (epidemiological, genealogical and environmental studies).

 

Mg排泄を促進する原因:ストレス、カフェイン、オメガ6の油、高脂質、高脂肪の食事、精製糖質、アルコール

 

参考

・ストレスによる尿中マグネシウム排泄の増大 西牟田守ら.マグネシウム 1988, 7:123-32.

・Magnesium deficiency in alcohol addiction and withdrawal. Shane SRら.Magnes Trace Elem 1991,10:263-8. 

・濃度の高いコーヒーを摂取すると、マグネシウムの尿中排泄量が増加する(県立広島大学人間文化学部 紀要 vol3 1-6(2008))

・日本の水道水~硬さしらべました 20210629watanabe_horisoubun01.pdf (u-tokyo.ac.jp)

 

銅(Cu)

生体内で銅酵素、銅蛋白として存在して鉄代謝、中枢神経機能、エラスチンやコラーゲン合成など結合組織代謝、骨代謝メラニン生成、過酸化水素除去などに重要な役割を果たしています。

 

亜鉛(Zn)

生体のあらゆる組織内に存在して、約300種以上の酵素の活性中心に存在して、核酸の生合成、蛋白代謝、細胞膜の構造とその維持などに重要な役割を果たしています。

※ 亜鉛のキレート作用を有するポリリン酸ナトリウム(歯科ホワイトニング)、フィチン酸、EDTAなど(食品添加物や薬剤)の連用は亜鉛欠乏の原因となります。

 

参考

紀伊半島における筋萎縮性側索硬化症の疫学的, 遺伝学的ならびに地理医学的研究 木村潔 

Kimura K (1965 )Studiesof umyotrophic lateralscterosis intheKozagawa districrQf the KiiOcnunsutu Japan.Epidcrniologi−cal 、genea]ogical and environniental sutadies ・Aaka }/amu Me Rep9,177−192

・ミネラルウォーター -健康にとって美味しい水は名水か- 安井 昌之  機能水研究 Vol.4(1), p.11-16, 2009

 

例えば以下の商品はポリリン酸ナトリウムを含みます。

 

原因③ フリーラジカル・酸化ストレス

運動過剰刺激・脳震盪

フットボール選手など長年アスリートとして活躍した人たちのALS罹患率は、アスリートでない人に比べてかなり高いことがわかっています。身体的なストレスが活性酸素フリーラジカル)を大量に発生させ、身体に炎症を与えると考えられています。

 また、脳震盪を起こしやすいスポーツは、脳血管と脳の間の物質の移動を選択的に制限する仕組みであるBlood brain barrier(血液脳関門)の損傷を起こしやすく、本来脳には届かない物質が脳内に侵入し、障害が起こると考えられています。

精神的ストレス

精神的なストレスは、フリーラジカルを大量に発生させ、身体に体に炎症を起こします。

参考:ストレスと不安が、尿中のマグネシウム排泄量を増加させました。ストレスはさまざまな作用により身体の恒常性を壊します。(Magnes Res.2006 Jun;19(2):102-6)

睡眠不足

睡眠不足が身体に悪いことは議論の余地はないかと思います。朝6時に起きて夜10時までに寝る規則正しい生活は、メラトニンの産生を促します。メラトニンフリーラジカルを破壊する抗酸化物質グルタチオンを作ります。

 

原因④ 化学物質

殺虫剤、除草剤、殺菌剤

殺虫剤、除草剤、殺菌剤などは人体に毒性の高い化学物質を含んでいて、土壌、食物などを通して体内に蓄積し、私たちの食生活と健康に大きな影響を及ぼしています。

スモッグ

大都市をはじめ空気の質が悪いと、経気道的な化学物質の吸入が肺から血液に入り、健康に大きな影響を及ぼしています。

クリーニング用品

洗濯洗剤、食器用洗剤、ハンドソープ、歯磨き粉、クリーニング用品などは天然には存在しない化学物質です。経皮的な身体への吸収もありますし、口腔粘膜からの吸収など体内に取り込まれるものですが、体内での作用は十分にわかっているのでしょうか。

化粧用品

国によって基準は異なりますが、鉛や他の毒性成分を化粧品に混入することが許されています。シャンプー、リンス、ハンドクリーム、日焼け止めクリームからも体内への吸収があります。

プラスチック

近年、日本でもマイクロプラスチックの残留が報道されるようになってきました。プラスチックは身体には異物です遺物です。小さいプラスチックであれば飲料水に浸透します。暑い車の中に置き去りになっていたプラスチックボトルの水はプラスチックが浸出しているため飲まないようにという報告もあります。

また、食べ物をプラスチック製の容器で電子レンジで温める場合も、食べ物に浸出するので使わないようにしましょう。

水道水

アメリカの多くの都市の水道水にはフッ素が混合されています。日本でも、歯磨き粉にも入っています。フッ素は神経毒です。

原因⑤ 肝臓の機能不全

肝臓はデトックス(解毒)のために重要な臓器で、肝臓が正しく機能していないと毒素が体内に蓄積することになります。肝臓にとっての2つの大敵はアルコールと小麦で、小麦はグルテンを含みプラーク化し、肝臓機能を遮げます。(後者の医学的な正確性は不明)。

原因⑥ 感染症

ライム病やウイルス感染症

未治療のライム病やEBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)など細菌・ウイルスなどの感染症がALSに大きく関与しています。

 

新型コロナウイルス罹患後症状ではウイルスの持続感染や人体への悪影響が研究されています。

参考:Unexplained post-acute infection syndromes, nature medicine,Jan Choutka .et.al

罹患後症状の4つの仮説

カビ

カビは土壌をはじめ、私たちの生活空間に当たり前に存在していますが、人体に悪影響を与えていることは間違いありません。

 

原因⑦ スタチン薬(コレステロール低下薬)などの処方箋の薬

Joseph B.Yospeh氏の書いた「Statin-induced Neuropathy and Myopathy」という本では、スタチン薬がどのように神経に影響し、ALSの原因となり得るかを説明しています。医薬品は天然の産物ではなく、毒素として排出するものです。

 

原因⑧ リーキーガット

腸管壁のバリアが壊れて、腸内の細菌や老廃物が体内に入ってしまう現象です。腸管壁浸漏(Leaky gut)は腸管免疫機能の破綻からリポ多糖(LPS)などの毒素が肝臓に流入する。結果として、肝臓が賦活化し、肝疾患など全身に影響を与える。

参考:日内会誌 109:27-33,2020

 

以上、8項目にまとめてみました。しかし、それぞれが相互に関わりあっており決して単独の独立した原因ではありません。

 

4.食事療法

 

前章のさまざまな原因を踏まえて行うべき、治療目標として以下の4つをまとめています。

1.ミトコンドリアの過労の修正

2.免疫細胞の機能不全の修正

3.身体にかかる毒素の負荷の修正

4.ウイルス性や他の慢性感染症の免疫細胞のコントロール

 

本書ではこの治療目標に取り組む心構えとしてエリックエドニーという59歳でALSと診断され、85歳まで楽しい人生を生きた患者さんの自伝を紹介しています。

毎日症状が悪化していく恐怖の中、心が折れず前に進み続けることは至難の業でしょう。それでも同じ病気と闘った患者さんの自伝を読み、そのたびに勇気と知識を得て、前に進み続ける。その難しさを十分に理解した上で、プロトコール(治療実施計画)が大切であることを訴えられています。

 

プロトコールは階段に分けると

 第一段階 病気の進行を止めること  Stop the progress of ALS

 第二段階 本来の健康状態に戻すこと Restore the body

いきなり治療の目標をALS症状のリバースすることではなく、まず病気の進行を遅らせ、止めることを第一段階とし、そこから次の目標をALS症状をリバースさせることにすればよいとしています。

 そして、治療よりもさらに大切な事は、PMA(Positive Mental Attitude)すなわち前向きな心構えです。どんな治療も実行できなければ絵に描いた餅です。これは治療をやり遂げるための必須の要素となると私も思います。

 

これらを踏まえた上で、著者が説明する治療の原則は4つです。

1.治療にあたり、ゴールを決めること

2.ゴールに向けてひたすらポジティブに頑張ること

3.すべての治療が効くとは限らないこと

4.実践している治療を信じて前に進むこと

人それぞれ身体の状態は異なっているため、すべての人に同じように効果があるような治療はないと割り切ることが必要と思います。そもそも前提として治療には試行錯誤が必要であり、自ら学び、考え、前に進み続けることが必要なのです。

 

If you are not open to new ideas, then you will never improve your ALs condition.

あなたが新しいアイデアを受け入れなければ、あなたのALSの症状は決して改善しない ー エリック

 

5.マークの食事療法 Mark’s Protocol

 

2011年 ALSと診断され、胃瘻造設と気管切開を行いました。人工呼吸器を24時間使い、最終的に眼球以外動かせなくなります。しかし、現在、マークは自分で食事をし、歩行器を使わずに歩くまでリバースしています。マークは3人の神経内科の医師に診てもらい、一人は世界的に有名なメイヨークリニックの医師でALSの診断で間違いないと言われていました。

 マークの治療は妻のリサによって行われます。栄養剤をやめてオーガニックベースに変えました。精製された砂糖や体に炎症を与えそうな成分は入っておらず、バランスの取れたビタミン・ミネラルの入ったプラント(植物)ベースの栄養剤でした。さらにサプリメントや野菜スムージーなども与え始め、胃瘻造設してから3年目にリバースが始まりました。

 リサは、マークの身体に蓄積された毒素や老廃物が、クリーンな食物によって一掃されるまでそれなりの月日が必要だったと言っています。まさに、食べ物は薬なのです。

 

現在のマークの食事療法

 

基本的に避ける食品:砂糖類、グルテン(小麦粉など)、穀物(できるだけ避ける)、魚介類(とるなら水銀含有量が低い魚介類)、乳製品、卵、加工食品、化学調味料(添加物も)、人工甘味料アスパルテームなど)、人工着色料、酒類、タバコ

 

グルテン

グルテンは小麦、ライ麦、大麦中のたんぱく質で、水を加えることで粘弾性が変化するためパン、パスタ、うどん、お菓子などで使用されている。消化されにくいため腸の粘膜に張り付いてしまい粘膜が炎症を起こし、腸内環境が悪化し、栄養の吸収力も落ちる。以下の本ではグルテンがおこす脳の炎症について詳しく記載されています。

 

乳製品

アメリカでは乳牛にホルモン剤抗生物質が投与されたり、資料として人が食べられないような農業や化学肥料がたっぷりと含まれた粗悪な飼料を与えている場合があります。そのような牛の乳製品を食べたいでしょうか。抗生物質は私たちの腸内の善玉菌を殺してしまい、腸内環境が乱れます。

砂糖

砂糖は身体に炎症を起こします。血糖値を上げる、腸内環境を妨げる、口腔衛生を悪化させ繁殖した細菌が血液に入る、抗炎症作用を持つケトン体の産生を減らす、脂肪肝を増やす、体重増加などによります。

化学調味料

うま味の代表であるMSG(グルタミン酸ナトリウム)とは、日本で美味しいと言われる食べ物のほとんどに使われています。加工食品やソース類、めんつゆ、インスタント味噌など様々。日本の食品添加物の表示欄には「アミノ酸調味料」や「アミノ酸等調味料」とも書かれています。海外ではMSGと聞くとマイナスのイメージしかないそうです。

 

6.アメリカALSオンラインサポートグループが推奨する食事療法

 

避ける食品:グルテン(小麦粉など)、乳製品、砂糖類(はちみつ、メープルシロップはOK)、加工食品、人工調味料(特にMSG)、人工甘味料(特にアステルパーム)、ジャンクフード、揚げ物、酒類、タバコ類、ソフトドリンク

 

肉類

牛肉 牧草で飼育された牛肉

鶏肉 放し飼いで育てられた鶏肉

豚肉 推奨しない

魚類

野生で捕獲された魚で、水銀含有量の多いマグロなどの大魚ではなくタラやサケくらいの大きさ、それより小さい魚を勧める。アメリカ産の養殖魚は推奨しない。

炎症を起こす食べ物

穀物、小麦、トウモロコシ

遺伝子組み換え食品 GMO foods

害虫に強い性質や栄養素を上げる効果、除草剤に強い性質などを新たに加えている。一方で、アレルギーの原因になったり、免疫疾患や不妊などさまざまな健康被害の調査報告が世界中である。

ナッツ類

ピーナッツはカビが生えやすいので避ける

ブラジリアンナッツはセレニアムが豊富でお勧め

※ナッツ類はカビが生えやすいので冷蔵庫で保存することをお勧めする

油類

ココナッツオイル

オリーブオイルを使って調理することをお勧めする

発酵食品

サワークラフト、キムチなどお勧め

オーガニック有機栽培野菜、果物

アメリカの農産物は残留農薬が多い

できるだけオーガニックの野菜を食べる

 

食事療法のまとめ

 (特定の食材など)栄養が偏った食事ではなく

  栄養のバランスのとれた食事が大切

亜鉛補給でコロナ死亡率低下?

新型コロナウイルス(COVID-19)が2023年5月から2類から5類になり徐々にマスクをしない人も増えてきたように思います。脳卒中患者などの健康弱者は自分の身は自分で守らなければならないと思います。

 今回、サプリメントでも販売されている亜鉛についての論文を報告します。亜鉛は必須微量元素の1つで、炎症や感染症における免疫系の重要な調節因子であるとともに、直接的な抗ウイルス作用もあることが報告されています。COVID-19患者の予後を改善するために多くの研究グループが亜鉛補給に関する試験を実施してきましたが、その効果には議論の余地がありました。本論文は、亜鉛を補給したCOVID-19患者と補給していないCOVID-19患者の死亡率と症状の関連についてエビデンスレベルの高いメタ解析を行いました。

方法

 2022年7~8月にPubMedline/Medline、Cochrane、Web of Science、CINAHL Completeを用いて、亜鉛補給とCOVID-19の関連を評価した試験を検索した。重複を除去した結果、1,215本の論文が検索され、これらの研究のうち5試験を死亡率のアウトカムの評価に、2試験を症状のアウトカムの評価に用いた。COVID-19患者の亜鉛摂取と死亡率や症状の関係を評価するために、リスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した。異質性はI2統計量を用いて評価した。

結果
亜鉛を投与されたCOVID-19患者では、投与されなかったCOVID-19患者と比較して死亡リスクが有意に減少した(RR=0.63、95%CI:0.52~0.77、p=0.005)。
・症状については、亜鉛を投与されたCOVID-19患者と、亜鉛を投与されなかった患者で差はなかった(RR=0.52、95%CI:0.00~2万4,315.42、p=0.578)。
亜鉛サプリメントとして入手可能であり、COVID-19患者の死亡リスクを低減する費用対効果の高い方法として有望な可能性がある。

考察

現在報告されているコロナウイルス感染症の重症化や後遺症のリスクを下げる対策の多くは抗ウイルス薬など医師の処方を必要とするものです。患者には希望でどうにかなるものではないため、サプリメントで市販されている亜鉛はお守りとして自己防衛に使用できるかと思います。

 

引用論文: Rheingold SZ, et al. Cureus. 2023;15:e40231

 

 

 

ウイルス感染時の発熱が重症化を抑制。腸内細菌叢?

子供の頃、親から風邪をひいたとき、高い熱が出るが、これは免疫による抵抗力を高め、ばい菌などと身体が戦っているのであると教えられた方は多いのではないでしょうか…。しかし、ウイルスに感染した場合に外気温や体温がウイルス感染症の重症度に及ぼす影響は明らかになっていませんでした。

 今回、東京大学医科学研究所の研究グループは、「発熱により腸内細菌叢が活性化し、2次胆汁酸産生を介してウイルス感染症の重症化が予防される」可能性があることを報告しました。昔から言われていた教えは間違っていなかったことと、腸内細菌叢と胆汁いう意外なメカニズムが関与していた可能性があることが明らかになりました。

 

方法

外気温や体温がウイルス感染後の重症度に及ぼす影響を解析するため、マウスを4℃、22℃、36℃条件下で7日間飼育した。このマウスにインフルエンザウイルスまたは新型コロナウイルスSARS-CoV-2)を経鼻的に感染させ、体温、体重、生存などへの影響を検討した。また、22℃、36℃で飼育したマウスの血清メタボローム解析を実施した。さらに、COVID-19患者を重症度で分類し(軽症、中等症I/II)、血液を解析した。

結果

・36℃条件下で飼育したマウスの基礎体温は、38℃を超えた。
・36℃条件下で飼育したマウスは、4℃、22℃条件下で飼育したマウスと比較して、インフルエンザウイルス、SARS-CoV-2に対して高い抵抗性を示し、感染後の生存率が有意に改善した。
・36℃条件下で飼育したマウスは、4℃、22℃条件下で飼育したマウスと比較して、1次胆汁酸のコール酸、2次胆汁酸(腸内細菌によって産生)のデオキシコール酸(DCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)の血中濃度が有意に高かった。

・22℃条件下で飼育したマウスに、通常の水道水またはDCA、UDCAを添加した水道水を与え、インフルエンザウイルスを経鼻的に感染させたところ、DCAやUDCAを与えた群では、肺のウイルス量や好中球数が減少し、感染後の生存率が有意に改善した。

COVID-19中等症I/II患者は、軽症患者と比較して、血漿中の重症化マーカーであるフィブリノーゲン濃度が有意に高かった。一方、胆汁酸の一種であるグリシン抱合型コール酸(GCA)について、中等症I/II患者は軽症患者と比較して、血漿中濃度が有意に低かった。

 

結論

・発熱による腸内細菌叢の活性化は、血中および腸内の胆汁酸レベルを上昇させ、インフルエンザウイルス、SARS-CoV-2感染後のウイルス複製および有害な炎症反応を抑制する

 

考察

 胆汁酸は肝臓で作られる消化酵素であり、それ以外の働きはあまり知られていないと思います。胆汁酸がよさそうだからと直接胆汁酸を補充するのではなく、自分の腸内細菌に作らせることが重要なようであり、日頃から「食事などで食物繊維をとり、腸内細菌を養っておくことが大事」ということが示唆されます。

 

引用:Nagai M, et al. Nat Commun. 2023;14:3863.

 

 

参考サイト:発熱がウイルス性肺炎の重症化を抑制するメカニズムを解明―重症化の抑制には38℃以上の体温で活性化した腸内細菌叢が必要だった

新型コロナ感染前の睡眠状態が後遺症に影響!?

睡眠と免疫力との関係はこれまで様々なところで見聞きしますね。

免疫力と新型コロナウイルスについての相関は疑問の余地はないでしょう。

今回は、睡眠と新型コロナ後遺症の関係についての論文を紹介します。

 

はじめに

 多くの新型コロナ感染症患者が長期にわたる後遺症を経験し、公衆衛生上の深刻な問題となっています。これまでのところ、COVID-19後遺症に影響を及ぼすリスク因子の特定はあまり進んでいない。

 

 イタリア・ラクイラ大学のFederico Salfi氏らは、COVID-19後遺症に対する感染前の睡眠の質や時間、不眠症の重症度の影響について評価を行いました。結果、感染前の睡眠の質/量および不眠症重症度には、罹患後症状の発生数と用量依存的な関連性があることが示唆された。

 

方法

 2020年4月と2022年4月の2つの評価を含めたプロスペクティブ研究です。

ベースライン時(2020年4月)に、SARS-CoV-2感染が現在または過去にない参加者において、睡眠の質/時間不眠症を評価した。睡眠状態の評価には、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、不眠症重症度質問票(ISI)を用いた。

 フォローアップ時(2022年4月)には、新型コロナ感染症患者に対し、罹患後1ヵ月(713例、2020年4月~2022年2月に感染)および3ヵ月(333例、2020年4月~2021年12月に感染)の21症状の有無をレトロスペクティブに調査した。また、新型コロナ感染症から完全に回復するまでの期間も調査した。

 長期的な罹患後症状の数に対する感染前の睡眠状態の影響を推定するため、zero-inflated負の二項回帰モデルを用いた。睡眠変数、罹患後症状それぞれの発生率と、感染4週後/12週後の回復割合との関連性の評価には、二項ロジスティック回帰を用いた。

 

結果

・感染前の睡眠状態がCOVID-19後1ヵ月/3ヵ月の症状の数に大きく影響していた。

・過去にPSQIスコア、ISIスコアが高く、睡眠時間が短い人では、COVID-19後1ヵ月/3ヵ月の時点におけるほぼすべての長期的な罹患後症状のリスクが有意に高かった。

・ベースライン時の睡眠障害は、COVID-19後、感染前の日常的な機能レベルに戻るまでの期間が長期化することとも関連していた。

 

感想

この研究では新型コロナウイルス感染前の睡眠状態と新型コロナウイルス後遺症に相関があることを示唆している。原因は明らかではないが「睡眠状態→免疫力の状態→新型コロナウイルスへの抵抗力」のような因果関係になるのではないか。もちろんその他の要因も複数存在すると考えられるが、まずは「質の良い睡眠」を普段から心がけたい。

結論は直感的に理解できる方が多いのではないか。

 

原著論文:Salfi F, et al. Brain Behav Immun. 2023;112:140-151.

糖尿病治療薬がコロナ後遺症リスクを減らす!?

 新型コロナウイルスはオミクロン株以降は重症化リスクがインフルエンザと同等以下に下がり、普通の風邪になったと言われることも増えてきました。一方で、インフルエンザではあまり聞かなかった「新型コロナ後遺症」について耳にする機会は増え、不安はなくなりません。

 

 新型コロナ後遺症(Long COVID)は、倦怠感や味覚症状など多岐にわたる症状があり、世界中で多くの人が苦しんでいるものの、現時点で確立された治療法はありません。米国・ミネソタ大学、Carolyn T Bramante氏らは、COVID-19感染直後の患者に、糖尿病治療薬であるメトホルミン投与を行い、COVID-19の重症化予防とLong COVIDのリスク低減効果を評価しました。

 

方法

 COVID-19発症から7日未満、SARS-CoV-2感染確認から3日以内、30~85歳、過体重または肥満の成人を対象に、
 ①メトホルミン+イベルメクチン
 ②メトホルミン+フルボキサミン
 ③メトホルミン
 ④イベルメクチン
 ⑤フルボキサミン
 ⑥プラセボ       の6群にランダムに割り当てられました。

 

※いずれの薬も重症化には影響がないとされている。

Bramante CT, et al. N Engl J Med. 2022;387:599-610.

 

評価は 医療従事者によるLong COVID診断 としました。

 

結果

・2020年12月30日~2022年1月28日に1,431例が登録され、ランダム化された。1,126例が長期フォローアップに同意し、180日目のLong COVIDの評価を受けた。


・56.1%が女性でうち7%が妊娠していた。年齢中央値は45歳、BMI中央値は29.8であった。93/1,126例(8.3%)が、300日目までにLong COVIDの診断を受けたと報告した。


・300日目までのLong COVIDの累積発生率は、メトホルミン群では6.3%(95%信頼区間[CI]:4.2~8.2)、プラセボ群では10.4%(95%CI:7.8~12.9)だった(ハザード比[HR]:0.59、95%CI:0.39~0.89、p=0.012)。
・メトホルミンの有効性は、事前に規定されたサブグループ間でも一貫していた。メトホルミン投与が症状発現から3日以内に開始された場合のHRは0.37(95%CI:0.15~0.95)だった。イベルメクチン(HR:0.99、95%CI:0.59~1.64)、フルボキサミン(HR:1.36、95%CI:0.78~2.34)は、Long COVIDの累積発生率に影響がなかった。

 

結論

・メトホルミンは、プラセボと比較して、Long COVID発症を約41%減少させ、絶対減少率は4.1%であった。

・メトホルミンはCOVID-19の治療として臨床的利益があり、世界的に入手可能で低コスト、かつ安全である

 

感想

・メトホルミンは日本では糖尿病治療薬として保険収載されていますが、新型コロナでは保険外です。

・新型コロナ目的に使おうとすると自費診療となります。

・現実的には、糖尿病で治療を受けている方は、糖尿病の治療目的で使用で医師の処方を受けられるため主治医に相談してみるとよいかもしれません。

 

引用:原著論文

Bramante CT, et al. Lancet Infect Dis. 2023 Jun 8. [Epub ahead of print]

インフレから貧困を考える

多くの人は、病気になると「貧困」は現実的な課題になる。

どれだけ金銭的な余裕があったとしても、不安にならない人はいないだろう。

 

世の中は物価高のニュースが頻繁にながれるようになってきた。

「老人に冷たい国」という貧困と社会的孤立について、高齢者の一人暮らしについて研究調査した本を読んだ。

 

 

1. 貧困とは

貧困とは、教育、仕事、食料、保健医療、飲料水、住居、エネルギーなど最も基本的な物・サービスを手に入れられない状態のこと。極度の、あるいは絶対的な貧困とは、生きていくうえで最低限必要な食料さえ確保できず、尊厳ある生活が送れない状態のことを指す。  参考:undp.or.jp

3.日本の貧困・孤立と高齢者

日本で貧困・孤立問題が注目されるようになったのは、1990年代にはいって急増した孤立死・餓死事件からである。江口英一は社会階層の視点から貧困・非低所得層の問題を研究し、低消費水準生活が社会的孤立と孤独をもたらすことを指摘した。「低消費」生活をする人々は、個人的再生産費目と社会的固定費目に挟撃されて、低所得・低収入であるがゆえに、社会生活を維持するために必要不可欠な社会的強要費目をも削減せざるえず、社会生活は圧縮され、社会的欲望や要求それ自体もしだいに萎縮し、長期的には心身の衰退、荒廃を招き、社会的孤立と孤独の中に追い込まれざるを得ない。

 こうした視点から「労働と生活の衰退」というものが、社会的に最も弱い層である高齢者世帯、特にひとり暮らし高齢者世帯に社会的孤立をもたらす。

 

4.一人暮らし高齢者

著者は調査研究を通して一人暮らし高齢者の生活類型を5つに分類した。

2011年東京都港区のデータを基にした類型毎の全体に占める割合も示す。

 

老人に冷たい国・日本より引用

 

類型1 多重困難型 17%

人間関係が非常に悪く、経済状況もよくないため毎日の生活に強い不満やストレスを感じている

 

類型2 外出困難型 24%

外出状況に問題を抱えているが、経済状況、人間関係が良好で生活に一定の満足を得ている

 

類型3 経済困難型 15%

経済状況が悪く不安を抱えているが、外出状況が良く、人間関係が良好で日常生活にはあまり不満がない

 

類型4 関係困難型 19%

人間関係には満足していないが、経済状況、外出状況が良く、毎日の生活に不満を感じていない

 

類型5 生活安定型 26%

金銭面でも人間関係でも不安がなく、ストレスを感じていない。毎日を豊かに生活している

 

当然、年代や地域によっても割合は変わるため参考値であるが、類型1の多重困難型と類型3の経済困難型が貧困と孤立の問題を抱える層であり、全体の約30%を占めていた。

 

5.病気を持つ個人としての貧困の感想

 高齢・病気などを患い労働が困難になると、経済的問題が生じ、それは生活を脅かす。それは社会的孤立へと向かう一因となりうるが、人間関係が良好で、社会的に孤立しなければ生活にあまり不満なく生活できる。

 高齢であれば仕方ないが、病気を患ったとしても可能な限り労働をすることは経済と人間関係の2つの面から貧困を防ぐ予防になると思われた。

2023年 新型コロナ感染症の実態

はじめに

 日本では、ワクチン接種率が高い。にもかかわらず、多くの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が日々確認されている。では実際に、どのくらいの人がCovid19に感染しているのだろうか。東京都心の真ん中で、医療者をはじめとした職員を対象とした調査結果が報告されたため紹介する。

 

方法

 順天堂大学の年次健康診断(2022年7月17日~8月21日)を受診した3,788人(医師1,497人、看護師1,080人、検査技師182人、その他の医療従事者320人、事務職員542人、研究者157人、その他10人)を対象に、SARS-CoV-2抗体検査を実施した。

 2020年、2021年における抗N抗体※陽性率はそれぞれ0.34%、1.59%と低かったが、2022年の調査結果では、17.7%に増加していた。また、抗N抗体陽性者のうち、約半数は感染の自覚がなかったことが明らかになった。

※ ワクチンを接種した場合は抗S抗体が陽性となり、SARS-CoV-2に感染した場合は、抗N抗体と抗S抗体の両方が陽性になる。

 

結果

・2022年における抗N抗体陽性率は17.7%(669/3,788人)であった

 (2020年:0.34%、2021年:1.59%)。

・抗N抗体陽性者669人のうち48.6%(325人)は、過去にPCR検査に基づくSARS-CoV-2感染歴がなかった。また、抗N抗体陽性で、過去にPCR検査に基づくSARS-CoV-2感染歴のある344人のうち、40人は無症候感染であった。

PCR検査に基づくSARS-CoV-2感染歴のある357人のうち、79.0%(282人)は2022年1月以降(東京でのオミクロン株の初確認後)に感染していた。

 

考察

 ワクチン接種率が高く、徹底した感染対策がとられている医療従事者においても無症候感染が多く認められたことから、無症候感染率の高さが急速な感染拡大を引き起こす要因となっている可能性がある。

 医療現場での感染拡大を完全に抑制することは難しいかもしれないが、医療現場では定期的な検温、衛生管理、マスクなどの継続的な取り組みが必要になる。

 

原著論文:Kanamori R, et al. Sci Rep. 2023;13:4941.