脳梗塞後の世界で生きる日記

患者視点でリハビリについて情報発信します

スポーツ観戦でうつが抑制される可能性がある

スポーツで体を動かすとストレスが発散されることは多くの人が実体験を通してなんとなくは理解していると思います。しかし、スポーツをテレビで見ることでストレスが発散されると思う人はそれほど多くはないのではないでしょうか。 今回、日本人高齢者を対象…

マスク・手洗いでコロナ発症率は下がるのか?

コロナが落ち着いていることもあり、マスクはするけど、手洗いは少しさぼり気味になってはいませんか? 実際に、新型コロナウイルスへの感染、発症、死亡に関して、これらの感染対策はどの程度有効だったのか、メタ解析というエビデンスレベルの高い方法での…

医療機関の組織マネジメントの実際

私は、医療機関で組織マネジメントに関わっている。 コンサルタントのような専門家としてではなく、いち医療従事者としてである。 いわゆる役職者になるにあたりマネジメント本は読んだが、理論通りにはいかない。試行錯誤の連続だった。結局、様々なことが…

高齢者がCOVID-19に感染する場所

国立感染症研究所実地疫学研究センターは、「高齢者の会合等、人が集う場面での新型コロナウイルス感染症に関する感染事例の所見と公民館や体育館等を利用する際の感染対策についての提案」を発表した。ここでは特に、高齢者が集った場合に発生したCOVID-19…

私のリハビリ体験⑪ 立てるけど不安定

脳梗塞を発症してから数年経った。 なんとか歩けるようになるとある程度の達成感を得られる一方で、まだまだ課題だらけだ。 例えば、散歩しいていると信号待ち、となることがある。 お買い物の列に並ぶときもある。実は、これがきつい。 ある場所にじっとし…

中年に運動は薬である

健康維持に運動が大切である。 そんなことは誰でも知っている。 わずか30分、週に5回、心臓の鼓動が少し速くなる程度の運動をすればよい。 時間を小刻みに積み重ねて週に150分とするのでもよい。 運動を推奨する研究報告が増えるに従い、特に中年期の身体活…

体重減少が脳卒中のリスクと関連

体重は最も馴染みのある身体データの一つだろう。 その体重で脳卒中との関連を示唆する研究が日本から報告された。 国立がん研究センターなどによるコホート研究(JPHC研究)によると、日本人男性では体重減少と脳卒中発症リスクの上昇に、有意な関連がある…

新型コロナは健康・若年・無症候でも脳卒中リスク上昇

シンガポールのTian M. Tu氏らは、脳梗塞は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に見られる神経学的合併症で、無症候性COVID-19患者の回復期においてもリスクは高いことを発表した。引用:JAMA Netw Open(2021; 4: e217498) 方法 解析対象は、2020年5…

コロナ再感染が抗体陽性だと1/5に減る

アメリカにおけるエビデンスレベル高めのデザインによる研究論文を紹介します。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の再感染例が世界中で報告されている。健康な若年成人を対象にSARS-CoV-2の再感染に関する前向きコホート研究が実施された。その結果、SARS-C…

日本におけるコロナワクチン接種後アナフィラキシー 350例

2021年2月17日~4月4日までに、日本国内で新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして医療機関から報告されたのは350例あるそうだ。これらの事例について専門家評価が行われ、実際にアナフィラキシーとして判断されたのは79例であった。 以下、厚生労…

2-6-2の法則と組織マネジメント

1.2-6-2の法則とは? コロナ禍において、急速に経営環境が変化する中でも、長年の「やり方」が染みついた組織は変化を強く拒絶します。強い危機感から良かれと思って提案した施策も思うように響きません。そもそもの危機感も人によってバラバラです。持…

私のリハビリ体験⑩ 患者が考える良いリハビリ病院

医者にもいろいろな医者がいます。内科、外科、小児科などなど。 なんとなく患者像と重ねてイメージができるのではないでしょうか。 一方で、リハビリ医とはなにをするのでしょうか。 実際にリハビリをしてくれるわけではないし、療法士とはどこが違うのか。…

起立訓練は嚥下機能を改善するかもしれない

嚥下障害の患者さんに、嚥下訓練をするのは当たり前かもしれません。一方で、一見関係なさそうな起立訓練が嚥下障害を改善するかもしれないという論文を紹介します。リハビリテーションでは部分ではなく全体を診ることが大事ということだと思います。 目的:…

医療者の現在地:コロナ風評被害の実態

医療従事者は大なり小なり社会や人の役に立っているという自負があったと思う。 時々モンスターペイシェントと出会ったりしてもそれはごく一部の変わった人々だと思う程度であった。 しかし、新型コロナウイルス感染症によりその自負が根幹から揺さぶられて…

1杯のココアが脳の働きを高める?

1杯のココアが脳の働きを高めるかもしれないという論文を紹介する。 英バーミンガム大学のCatarina Rendeiro氏らはカカオに含まれているポリフェノールの一種「フラバノール」が豊富なココアの摂取後に、脳の活性が向上することが確認した。 方法 18~45歳の…

麻痺の回復をめざさないリハビリ医療

日本におけるリハビリテーション医療は標準化されていない つまり、病院ごとにリハビリの内容やそもそもリハビリの目標が異なる。 特に、脳卒中患者は、この現状を絶対に知っておかなければならないと思う。 麻痺の回復を目指さずに、麻痺のない側を鍛えるこ…

リハビリ意欲を育む

1.意欲とリハビリテーション リハビリテーションの効果を高めていくためには,患者のリハビリへの意欲は非常に重要な要因の1つであることが研究により報告されている1,2). しかし,リハビリに関わる専門職の間で「意欲」の定義が統一されておらず3),意欲…

コロナウイルスの脳梗塞発症リスクはインフルの7.6倍

新型コロナウイルスはインフルエンザと変わらない、という声も聞こえるようになってきました。 新型コロナウイルスの死亡率をみての声だと思います。 しかし、脳卒中患者においては、新型コロナウイルスに伴う合併症まで含めて知っておかなければならないと…

脳卒中と自動車運転

1.脳卒中と自動車運転 ある時突然脳卒中となり生きるか死ぬかを経験した後、幸いにして社会復帰を目指すことができるようになった。そのとき、多くの方が直面する問題が自動車の運転です。 東京などの都市ならば電車やバスなどの公共交通機関がありますが…

睡眠とリハビリ

1.睡眠とリハビリ 脳梗塞・脳出血のリハビリテーションは「運動学習」と言われています。 運動を学習する「脳のトレーニング」です。 リハビリの一般的なイメージである筋トレとは全く違います。 赤ちゃんがハイハイから二本足で歩くようになるまでの過程…

新型コロナに備える:タケダ緑の習慣 免疫編

【質問】 脳梗塞など持病がある方は、コロナ騒動の中、もし自分も感染してしまったらと思い、不安で仕方ないと思います。あたなは免疫力を高めるにはどのようなことをしていますか? 【私の答え】 規則正しい生活(睡眠 運動 食事)+ タケダ緑の習慣 1.腸…

新型コロナに備える:タケダ緑の習慣 慢性炎症編

老化の原因の一つは「体内で起こる慢性炎症」である。 炎症はがんの原因になるし、さまざまな病気の入り口となる。 新型コロナウイルスについては、免疫力低下につながると私は考えている。 そこで、私が注目した「タケダ緑の習慣」の研究データを紹介します…

新型コロナに備える:腸内フローラを育てよう

患者「コロナが心配です。免疫力を高めるにはどうしたらよいでしょうか」 医者「睡眠をとり(規則正しい生活をして) ストレスをためず バランスの良い食事をとることです」 患者「睡眠、ストレス、食事・・・ですね。 バランスの良い食事とは具体的にどんな…

新型コロナに備える:BCGは打ちましたか

中国での大規模なデータと日本を含む世界のデータはほぼ同じ傾向です。 つまり、新型コロナウイルスは「年齢が高いほど死亡率が高くなる」ということです。 ニュースでは若い方の重症・死亡例などが報告され印象に残りますが、統計的にはそういうケースはま…

新型コロナに備える:解熱鎮痛剤は飲まない

フランスの厚生・連帯大臣Olivier Veran氏。神経科医(写真:代表撮影/ロイター/アフロ) フランスの厚生大臣オリヴィエ・ヴェラン氏が、コロナウイルスに関して、イブプロフェンを服用しないほうがよいと推奨した。イブプロフェンとは、非ステロイド性の抗炎…

認知症患者のリハビリは効果がない?

リハビリテーションの現場において認知症患者はリハビリ効果が出ずらいことは周知の事実であると思います。しかし、一方でリハビリ施設・病院には認知症患者さんがたくさん入院しており、良い悪いを含めて発信してくことは必要なことだと思います。 要旨 ニ…

短期集中型自立支援プログラム(動機づけへの介入効果)

リハビリテーションは活動に対する介入であり、最終的に患者の生活の中に活かされて行かなければならない。 介護保険 短期集中型自立支援プログラムのアウトカムについての論文です。 プログラムの構成は、一般的な通所型サービスと同様で、さらにリハビリテ…

脳卒中後の職場復帰は歩行速度で予測可能?

いかに転帰(職場復帰)を予測するかは、リハビリ医療における重要なテーマです。 それにより支援や準備が変わってくるからです。 脳卒中を経験した若年成人では、歩行速度が職場復帰できるかどうかのバロメーターになるかもしれない。そんな研究結果を紹介…

病院における グーグルの「優れたマネージャーの8つの習慣」

病院は専門家の集まりであり、チーム医療のためにはそれぞれの専門家を束ねる優れたマネージメントが求められる。 しかし、実際は医師、看護師、セラピスト、ソーシャルワーカーなどがそれぞれ別々に計画を立て、お互い何をやっているのかよく知らないし、関…

ベジタリアンは肉食より脳卒中になりやすい!?

健康のためにと野菜や魚中心の食生活を、特に脳梗塞後からは気をつけている私にショッキングなタイトルの論文です。(以下の定義だと私は肉食群に入るようですが) 要約 オックスフォード大学のTammy Y N Tong氏らはベジタリアンと虚血性心疾患および脳卒中と…